今年も残り2日になりました。コロナ、コロナで過ぎた一年でしたが、少し目を凝らしますと、コロナを通して日本の今の現実が見えてきます。驚くことですが、コロナが世界で大流行した20年4-6月期を受け、7-9月期の企業の民間設備投資の比較です。
フランス企業は前期に比べ20%強も投資を増やしています。ドイツは+15%、イギリス+9%、アメリカ+5%と厳しい環境でも軒並みプラス投資。なのに日本は-3.2% コロナ後に向け、主要各国の企業は設備投資を増やし、次の成長に向けリスクを冒しています。
逆に世界最大の借金国日本は、政府がこれまで以上に赤字国債を発行してコロナ後の景気刺激を考える始末。その結果、企業の内部留保はますます増えますが、国の借金はこれまで以上に増え続け、最後は国民がこの国の借金の尻拭いをする羽目になります。
ドイツ政府はコロナ対策のための赤字国債発行にあたって、首相が後日国民の税金で支払うことを明言しています。国民が支払うことをはっきりさせていますから、不正行為で支援金や補助金を胡麻化そうとする人に対しブレーキが働きます。
また今の日本人は、ハングリー精神もなくなっているとも言われます。決して国民の全てが豊かではないはずなのに、この国の難局を救うために頑張ろうという、ハングリー精神を感じさせる人がほとんど日本社会には出現していません。
日本経済はここ30年近くに渡って停滞が続き、成長することを忘れていますから新たな人材が生まれる土壌も失われています。政治の世界はその典型で、万年与党と言われる自民党幹部は大半が、世襲議員ばかりで占められています。
また優秀な大学に入学する学生も大半が、潤沢な教育費を負担できる豊かな家庭の子供たちばかりに占められています。この子供たちにハングリー精神を期待する方が野暮というもの。もっと貧しい家庭から進学する環境を作らないとこの国は滅びます。
今の政府や国民心理を考えますと、この国は落ちるところまで落ちないと這い上がるエネルギーは生まれないかも知れません。目先の豊かさより日本社会の将来の成長を考えるならば、今のフェイクまみれの政治を少しでも変えることを考えるべきです。
【ひと言】
今年も1年間お付き合いありがとうございます。今年は、企業経営の難しい年でした。連絡をくれた人の中には、コロナ不況で会社を整理した人が4人いました。経営の相当厳しい人も少なからずいます。目先のことだけを考えずに、ご自分の人生を俯瞰して考えることも必要です。これからの人生のバネとなるよう、ピンチをチャンスに生かしてください。来年もよろしくお願いします。皆様の健康と幸運を祈っております。 中山おさひろ拝
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