コロナ禍により世界経済は冷え込んでいますが、この時期最も怖いのは世界的に上昇の続く証券市場で暴落につながる規制が金融当局によって発せられること。1990年代、日本のバブルが弾けるきっかけは当時の大蔵省による「不動産取引の総量規制」でした。
今、米国で話題になっている「ゲームストップ株」騒動は、その規制のきっかけになりかねない出来事です。昨年来ダウ平均株価が史上最高の更新を続ける米国は、株価を引き上げるための材料探しに必死になっています。そんな中で世界最大のPCゲーム小売店チェーン「ゲームストップ」が注目を集めました。
この会社、任天堂が世界に売り出した時は大変な力になった会社ですが、世界に約6700の小売店は今の時代では重荷です。そのため20年第3四半期には1880万ドルの赤字を垂れ流す不良会社の刻印を押されていました。
バブルの時に株を買い集める対象の会社は、業績や将来性などまったく関係ありません。ゲームストップが人気になったのは、昨年来の株式売買に儲けの匂いを感じた80~90年代生まれのミレニアル世代が参入し、馴染みの会社名に多くが反応したと想像しています。
この素人臭い買いに、カネ儲けには人一倍敏感な投資ファンド各社が動き出しました。間もなくゲームストップの暴落が起こりそうですから、証券会社から「空売り」用にゲームストップ株を借り集め、期限内の大幅下落により膨大な収益を上げることを考えました。
ゲームストップ株がいつものように下げなかったのは、ミレニアル世代がSNSを通じて連絡を取り合い、容易に売り逃げて目先の利益を取りにいかなかったことです。投資ファンドに対する反乱が起こったと言われますが、予期していた暴落が起きず逆にファンド各社は大きな赤字をだします。
この舞台を作ったのが、「ロビンフッド」と言われるスマホ用株式売買アプリです。株式の売買手数料をタダにした近年米国では注目されるフィンテックの一社です。その後、ゲームストップ株は下がり始めて、金融当局はこの動きへの規制を検討しているとも言われます。
日本でのバブルの時もそうでしたが、下手な規制はバブル崩壊のきっかけになります。同時に、コロナ禍のこの時期に株式の暴落はバイデン政権の命とりの一因にもなります。ただバブルを放置しておきますと、その後の経済に目を蔽うたいへんな悪影響を及ぼすことも確かです。
【ひと言】
昨年世界的にコロナ感染が広がった春以降、経済活動が止まっている中で株価だけが世界的に上昇を続けているのは、金融当局がバブル経済の進行を認識していても下手に規制してバブル崩壊を招くと、その混乱は止められないかも知れないからです。投資家と当局の間では目に見えない綱引きが続いています。このバブルがいつか弾けることもはっきりしています。ただ、どこでいつ弾けるかそれは誰も分かりません。
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