東京五輪組織委員会 森会長の発言、「女性理事を4割というのは文科省がうるさくいうんですね。だけど女性がたくさん入っている理事会は時間がかかります」 今は、オリンピック開催の女性差別の視点からの意見が多いですが、ビジネスの視点から考える必要もあると思います。
森会長は、短時間で終わることがよい会議と思い込んでいるようです。その本心は、会議の主催者側の意見をそのまま反対意見を言わず賛成することを暗に求めていると思えます。会長の思い通りに進行するかどうかを、時間がかかるかどうかで証言しています。
ただ現在の日本の状況は、コロナ対策を筆頭に短時間に主催者の意図通り済まされるような問題などほとんどありません。特にビジネスにおいては、少しでも参加者に色んな視点からの発言を求めますから、短く終わるような会議は開催する価値のない会議といえます。
過っての日本は、同じような考えを持つしかも男性を対象とした思考方法で経済成長を遂げてきました。そんな時代が戦後の半世紀続き、21世紀に入ってからはこの完全に行き詰っています。バブル崩壊以降、それはまったく間違いであることがはっきりしています。
今は、日本経済だけでなく社会全体を上昇させるためにも、建前の会議でなく本音の男性の気付かない問題点も含めて話合う会議が求められています。会社ならば、いつも同じメンバーばかりで話し合うのではなく、外部の人に参加してもらうことも必要になっています。
わたしも最近は、会社ばかりでなく自治体の会議も含めて参加することが多くなっています。いつものメンバーにとって常識的なことが、顧客や市民にとってはまったく常識ではないことがよくあります。以前はよく知られていることが、今は知られないことも多数あります。
企業で起こる大きな失敗のきっかけが、そんな「常識」や「思い込み」が原因のことがよくあります。また人と人との話合いのなかから、思いもしなかった新たな発想が生まれることもあります。それこそ、一人の新たな触媒が会議に加わったことで真剣度はまったく変わります。
変化が続く現代は、問題の答えを知っている人など誰もいません。そのために答えを出すための最適な方法を考える時代になっています。その意味で、森会長には会議を開く問題意識が全く抜けています。問題なのは、誰がこの時代遅れの人を会長に据えたのかそこに戻るのでは?
【ひと言】
根拠を基に論理を考える仕組みは、医療から始まっています。そのため、医療の世界はこの20年ほどで急速な進化を遂げています。その後、科学や経済の世界に広がっています。当然、政治の世界においても発言には常に根拠が求められているはずなのに、前トランプ大統領の登場は世界の政治を数十年逆戻しした感じがします。日本においても、トランプ大統領に歩調を合わせるように根拠のない話が増えました。
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