現在の日本経済というと、日経平均株価が30年振りに3万円を超える株式相場にばかり目が向きがち。他にも、10年物長期国債金利が0.12%まで上昇しています。昨年末まで0.02%前後でしたから大幅に上がっています。
また、銅、合成ゴム、木材、希少金属、半導体、農産物、コンテナ輸送料など、軒並み原材料や素材価格の上昇が続いています。コロナ禍が世界に広がっているため、供給が需要に追い付かない状態が慢性化していることがあります。
欧米やアジアで都市封鎖や行動の自粛が続いたため、消費することができず財布が膨らんだままです。現在は世界的に、コロナ禍の第二波が収束する過程にありますから、市民の消費意欲にメーカーの生産が追いつかないとも言えます。
一方日米両国の長期金利は上昇が始まっています。米国ではコロナ禍によって弱っている経済を立て直すため、FRBはゼロ金利政策を導入していますが、その先を読むように0.7%周辺だった金利は1,2%まで上がり始めました。
日本でも上昇されると財政運営に支障をきたす長期金利が上がり始めています。どちらも不景気の中のカネ余りによる株高でするから、投資家は国債金利が上がるのなら安心して買えるそちらに、資金を移動させる流れは目に見えています。
物価と金利との上昇によって、日本経済が新たな局面に移行する可能性が高まります。日米共に多額の借金を抱えている国家ですから、本来なら歓迎するべき経済変化が逆に対応できなくなる可能性の心配があります。
特に日本は、金利上昇により借金返済のための国債費が膨らみますから、長年心配されてきたデフォルト(債務不履行)に陥る心配が現実味を帯びます。今はコロナ禍で右往左往してますが、その次にデフォルトに追い込まれる心配はしたくないですが。
【ひと言】
社会科の教科書にまで載る「英国病」に陥った80年代のイギリスは、その後に財政破綻に近づいて大胆な財政運営をしています。過って植民地だったカナダで財政再建を成し遂げた大臣を招いて、自国の再建を託したのです。今の日本がそこまで大胆なことができるかどうか。はっきりしていることは、今のまま日銀が国債を引き受ける政策は、そんなに時間をかけずにパンクすることだけは間違いないです。
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