米国・アラスカでの米中外務首脳の会談を見ていると、対立が抜き先ならない展開に陥っていると感じた人は多いと思います。両国が非難の応酬を繰り広げ、どこで治まるのかまともな話し合いの糸口が見つかりません。
日本政府は安倍政権の時代から対中国敵視政策を取っていますから、米国と足並みを揃えることで対中国貿易や中国進出に支障をきたす可能性もでてくると思われます。
日本企業の中には、政治の世界での中国対立に頭を悩ませている経営者が多数います。世界を見渡しますと、相手国として中国を最も貿易額の多い国は64カ国あります。対米国が最も多い国は38カ国ですから問題になりません。
敵対している日本も、中国との貿易額が最も多い国の1国です。英国・エコノミスト誌の情報ですが、世界の100万社が中国に進出しているのに対し、中国から世界には4万社だけです。
そんななかトヨタ自動車は、22年にも燃料電池車(FCV)の基幹システムを中国で現地生産する検討に入ったと日経が報じました。トヨタはコメントしていませんが、中国・精華大学の傘下の企業が共同で製造拠点作りを進めるようです。
トヨタは戦後一貫して世界を相手にビジネスをしています。今回の米中のような対立で過去に巻き込まれた経験があるかどうか知りませんが、トランプ大統領の時代には、いち早く米国内での生産増を打ち出すなど対外での事業展開はしたたかです。
これから中国へ事業進出を計画している経営者も少なくありません。今後、人口減少が進む日本の企業の場合、中国での事業はあまり不自然とは思えません。政治と経済とは別物と考え、対立環境が悪化してきたら撤退するだけの話と思います。
【ひと言】
東京五輪に向けて聖火リレーが始まりました。わたしは、東京への一極集中が加速する大イベントの開催は賛成できません。当時、東京五輪に賛成する人の多くは、大イベントの開催によって行き詰っている経済に刺激を与えようとする、思惑ばかりが強いように感じました。あまり欲をだすと碌なことが起こりませんが、コロナ禍はそんな欲に対する答えのように思えてなりません。
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