日本政府は新型コロナ感染が広がった20年夏の段階で、経済のV字回復を目指していました。ところが、感染拡大の広がりは一朝一夕では収まりそうになく、V字回復とは言わなくなりました。代わりに現実経済はK字型に進みつつあると言われます。
コロナ禍によって経済は急降下したあと一時的に上昇しますが、その後はKの字のように上昇する業種と、下降する業種とに分かれる意味です。下降しているのはご承知のように、宿泊業、飲食業、観光業など外出を伴う接客型サービス業で歴史的な低水準に落ち込んでいます。
他方、現在のコロナ禍においても生産用機器、電気機械、半導体製造装置など輸出向け製造業は生産が間に合わないくらい好調です。Kの字と同様に好況と不況とにくっきり分かれてしまって、二極化は今後2、3年に渡って続くようです。
不況業種はそのうち持ち直すと言われますが、コロナ感染が大幅に収束したとしても19年末まで元の状態に戻るのはムリともいうのが定説。国民の生活習慣が、すっかり元の姿に戻ることはあり得ないというのが、これまでの歴史の教訓でもあります。
そこでこれからの起業を考えると、狙い目は現在不況真っ只中の接客型サービス業では。一つには、コロナで苦しい経験をした人たちが敬遠するビジネスであること。もう一つは、これまでと同じスタイルのサービスや仕組みでなく、新たな宿泊や飲食が生まれるように思います。
新型コロナ感染の教訓は、お客さんを天井なしにいくらでも多く集めるスタイルはリスクが大きいことです。低価格に頼ったビジネスは、世界的に限界があることが見えてきました。少しでも高い料金設定を考えるときがきています。
【ひと言】
K字型の経済によって、豊かな人と貧しい人とに2極化が進みます。現在は、旅館や居酒屋というと大半の会社が赤字になっていますが、早晩好況に転換できるところといつまでも浮上できないところと、ここでも2極分化ははじまるはずです。事業に経営者として参加すると、絶えず好況不況とに振り分けられますから、しつこくお客さんの希望を聞いて、それに応えることで生き残りを考えるべきです。
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