今週日経MJには第47回2020年度飲食店調査が公表されています。国内の大手飲食企業308社を対象に売上高と前年比伸び率を載せています。飲食業界と非上場企業の景気動向を知る上でとても貴重な情報の開示です。
20年度は一年間コロナ騒動で経済が大揺れの年でしたから、308社の金額で6兆6488億円、比率で△15.9%も減少した年でした。また不採算店の閉店が相次ぎ、265社の5230店も一年間に閉店しています。
この厳しい環境の中においても売上げ増加している飲食店がけっこうあります。売上高順に伸び率を並べてみました。
1位 マクロナルド +7.3% 8位 ケンタッキー・フライド・チキン +11.8% 10位 モスバーガー +5.8% 22位 ミスタードーナツ +2.3% 28位ドミノ ピザ +25.9% 31位 アークランドサービス(からやま) +11.7% 37位 ライドオンエクスプレス(銀のさら)+20.8% 45位 かつや +5.3%
売上高ベスト50社中の8社が売上げ増加を記録しています。一方、同じ大手飲食でも大幅に売上高を減らしている会社が大半です。
2位 ゼンショー(すき家) ―4.6% 3位すかいらーく(ガスト) -23.8% 4位 コロワイド(かっぱ寿司) ー7.2% 12位 吉野家 -10.2% 17位 ドトール・日レス -29.8% 23位壱番屋 -13.4%
大手飲食でも売上増は2割程度、6割近くは売上減に苦しんでいます。今後、飲食店開業を考える場合、コロナ禍における売上高の増減は参考になる数字です。驚くのは、増加企業の大半はフランチャイズ展開している会社ばかり。
直営方式で営業している飲食店の場合その大半は、社員が3、4店舗の店長を兼務していて実際の運営はほぼバイトやパート任せです。フランチャイズ加盟店オーナーによる経営には敵わなかったようです。日本の飲食店もアメリカのようにフランチャイズ店が多くを占めるきっかけになるかも知れません。
【ひと言】
多分コロナ禍を経験して、お客さんの飲食店に対する考え方も接し方も変わるでしょうし、出店する経営者もお客さんの変化に対応した店舗展開を考えると思われます。怖いのは、コロナ騒動が続いている間は来店してくれるお客さんは少ないけれど、収束したなら増えると思っていたのにそのまま少ないままで閉店を迫られるケース。今後はこのケースに悩まされる経営者が多そうです。
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