日本経済新聞最終面で連載している「私の履歴書」は、各界で活躍した有名人の人生を1月単位で紹介する名物記事。30年以上に渡って読んでいますが、ここで記憶に残る有名人の一人にニトリ創業者の似鳥昭雄さんがいます。
同じ北海道で生まれ育った背景が似ていますし、年齢は似鳥さんが年上ですが昔の札幌周辺での若者の話しは興味を引きました。その似鳥さんが、3年位前に自分が発達障害(ADHD:注意欠如、多動症)であることを知ったと告白しています。
子供のころは漢字が書けず、バカにされたりいじめられたりしていたようです。彼の場合、学校の授業についていけず、人にはマネのできないカンニング法を編み出すことで大学を卒業できたと言っています。
家業の家具屋を離れ自分で独立したのはいいけれど、金の計算が苦手で若いころから苦労の連続でした。その似鳥さんを救ったのが8回目のお見合いで結婚に結びついた今の奥さんです。接客の上手な奥さんのお陰で事業は軌道に乗りました。
奥さんから、「あなたは誰にでもやれることがやれない代わりに、誰もがやれないことがやれる」と励まされたと云います。発達障害の人の特性を的確に言い当てていますが、この誰もがやれないことをやって日本一の家具屋に成長しました。
医学の発達によって、これまでは単に能力が劣っていると判定されてきた人が、一方ではたいへんな能力も持ち主であることを発見しています。エジソンやビル・ゲイツなども、発達障害の一種の病気を抱えていると云われます。
日本ではこのような隠れた能力の持ち主が、組織の輪を乱すということで長年排除されてきました。それが最近は、多様性の時代ということで徐々に見直されてきています。病気の一種であることが認識され、才能も認められるようになっています。
似鳥昭雄さんという経営者は、誰もがやれないことをやる才能と同時に、人の話しをよく聞いて経営に生かすことで長年の収益増を続けています。自分の能力をどう生かすか、人の能力もどう生かすか、日本では新しい型の経営者と思います。
【ひと言】
世界を見渡すと、アスペルガー症候群と云われる発達障害の一種自閉症の有名人は多いです。ビル・ゲイツは有名ですが、アインシュタイン、スティーブ・ジョブズなども同じ病のようです。人間の才能は面白いもので、生かし方一つで天才と云われたり、バカと蔑まれもします。この人たちは世の中を変える力をもっている人たち。小学校に行って子供たちと接していたとき、発達障害と見受けられる人が何人かはいましたから、どう生かすか考えるべきです。
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