日本の経済規模が、今は米国や中国に次いで世界3位の経済大国と考えている人は少なくありません。ただ米中からは大きく水を開けられ、20年以上に渡って停滞している現実には目を閉じている人が多いです。
インド、英国、ドイツ、フランスなどに追い上げられていますから、3位の地位も年々危うくなっています。国際通貨としての円が、ドル、ユーロに次ぐ地位にありますから、現実以上に日本経済は大きな影響力をもっています。
しかし、中国元や暗号資産(仮想通貨)の使用が拡大し円に代わる時代がきたなら、日本経済の影響力は一気に転落しそうな気配があります。コロナ禍のなか、そんな気配を感じさせる出来事が起きています。
国際通貨基金(IMF)が発表した2021年経済見通しによると、先進国は前年比で+0.5%(5.6%)のなか、日本だけは-0.5%(2.8%)です。丁度他の先進国は、日本よりも2倍の成長率をコロナ後に記録しそうです。
また今年2月にはネットフリックスが定期的な料金改定を行い、日本での料金を13%高と大幅に引き上げました。これまで日本向けだけ特別料金で安かったのを、今年からは世界と同じレベルに上げて日本の特別扱いを止めたようです。
日本だけの特別扱いを示す典型例はアマゾンのプライム料金で、米国119ドル、英国110ドルに対し、日本は44ドルです。アマゾンもこれからは、日本の特別扱いを是正する可能性が高くなっています。
いつまでも日本だけのぬるま湯経済を維持するのは難しくなっています。コロナ禍以後、世界的に商品価格は上昇が続いています。そのため日本市場には国際商品が入ってこない事態も起こりそうです。
海産物のカニやホタテなど高級品は日本に高値で輸入する力がなくなっています。日本産も国内より高値で売れる海外市場に輸出するケースが増えています。今後は海産物ばかりでなく、高額の製品やサービスにまで広がりそうです。
自分のビジネスの身の回りで何が起こりそうか、今から考えておく必要があります。コロナワクチンの購入でも経験しましたが、多額の借金を抱えている日本は、国際競争力がどんどん弱まっていますから。
【ひと言】
安倍政権以降、日本にとっての最大の脅威は中国からの攻撃と頭に刷り込まれてきました。ただ、その実現性となりますとこの50年以上に渡って武力衝突は近隣で起こっていませんし、ベトナム戦争にしろ、イラク戦争、アフガン紛争にしろ、アメリカが始めた戦争ばかり。それよりも、金利が上昇し日本政府が借金返済のできなくなる事態の方が現実味はあります。武力衝突よりも、サイバー攻撃による被害の方が恐怖です。国を守るための正確な現状認識と戦略を間違えているようにしか思えません。
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