コロナ禍が収束しないなか、菅首相が自民党総裁の任期に合わせ今月で退任することになりました。前任の安倍前首相も、「人類がウイルスに打ち勝つ証として東京オリンピック・パラリンピックを成功させる」言い残し、自分は首相任期半ばで辞めています。
菅首相に至っては、「コロナ対策に専任するため総裁選挙には出馬しない」と訳の分からないことを言い出す始末。残りの任期は既に30日もなく、辞任を表明した首相が指示するコロナ対策に対し従う部下は本当にいるのか?
菅首相に関しては就任当初から、安倍首相が抱えるダークの事情に合わせ成り行きから就任した首相です。気構えもなければ使命感も持ち合わせていない新首相でした。このような退任に追い込まれるのも、成り行きで生まれた首相としては致し方ないものがあります。
まったく同じことは、ビジネスの世界においても起こることです。よく見かけるのは、起業に向けての準備を人任せにしたため、難局に対する心構えが抜け落ちている人。事業を立ち上げる使命感が欠けていて、起業してから自分は何でこんな苦労をしてるのかぼやくタイプです。
ビジネスパースンに身の処し方には2つのタイプがあって、一つは仕事や生活の現状に満足している人。特段の不満もなく、現在の役職、収入、環境に満足している人は、その現在の場所で楽しむこと。そこで最大限自分の能力を発揮することです。
もう一つは、現在の快適な生活に満足できないタイプ。Comfort zone (快適空間)に安住していては自分の成長がそこで止まると思う人は、現状を突き破ることを考えることです。これまでは安住派だったのが、ある日突き破ることを考える人もいます。
どちらにしろ、自分で現状を突き破って能力と使命感とを鍛えていかない限り、新しい視界は開けてきません。菅首相には、そんなステップを駆け上がる希薄もなく、いきなりてっぺんに据えられ何も考えずに、いきなり梯子を外されたのが実態ではないでしょうか。
首相に就任した時から、この結末は準備されていたような気がします。特段、国造りにあたって目標や夢があったわけでもなく、側近や官僚が用意してくれた文章を読むだけで首相が務まると勘違いしていた節があります。起業する人には教訓になる首相の退陣劇でした。
【ひと言】
日本では小泉元首相が辞めた06年以降、首相は1年ごとに交代する時期が続きました。安倍首相の2回目だけが7年半の長期に渡りましたが、これは2度目で少しは知恵がついていたから。次々と新たな政治課題を打ち立て、あたかも必死に取り組んでいる気配を醸していましたが、現実は国の借金がどんどん増えデフレから今も抜け出せずにいます。今後再び、1年ごとの政権交代が続きそうです。
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