世界的なコロナ感染の拡大で非常に不況色が濃いですが、こんな環境のなかでもしっかり利益を上げている景気のよいビジネスはあるもの。最近わたしが気になっているのは、輸出ビジネスを積極的に行っている会社です。
輸出といいますと、大手企業のなかでは商社がどこも好決算を上げています。日本の国内経済の場合、デフレによっていつまでも物価の安値安定が続いていますから、海外企業向け輸出をしている会社は外国との物価差を利用して利益を上げる構図です。
一つ例を上げますと、国内で販売している靴下は一足500円から1000円が平均的価格。これを海外輸出しますと、15ドル~30ドル(1650円~3300円)程度の価格で販売されています。しかも品質には定評のある日本製です。
これまでは衣料品メーカーからOEM(他社ブランド向け製造)をしていた下請け会社が、自前のブランドで海外小売店向けに販売しているのです。長引くデフレによって、外国と日本との間の販売価格は差が広がっています。
思い出すのは、2000年代に長く続いた円高不況の時代です。国内景気は、バブル経済の清算がなかなか終わらせることができなくて先の見えない不況一色でしたが、輸入業者は円高が追い風になって大きな利益を上げていました。
景気は最悪と云われるなか「自分の会社は絶好調」なんて言えませんから口を閉ざしていましたが、為替の裏表を上手く利用できますと不況一色というわけではありません。100円ショップや人材派遣のように、デフレを追い風にしているビジネスもあります。
先進国で日本だけコロナ不況から立ち上がる体力がない理由は、過去20年で米国の賃金は約80%アップ、ドイツ、フランスも50%アップのなか、日本だけ5%ダウンする経済政策の失敗があります。失業者を出さない政策のために、企業がリスクを負うことを拒否しています。
その企業を政府は支援していますから、借金ばかりが増え税収は伸びない事態に陥っています。新たにリスクをとって輸出に乗り出した下請け製造会社や商社は、日本経済の弱点をプラスに転換させる戦略が成功しています。今は、緻密な戦略とリスクを取れる勇気が試されています。
【ひと言】
政治家は、選挙のときと党内抗争の時だけ賢そうにみえますが、普段の行動にはほとんど知性はありません。田原総一朗さんの本を読んでいて気付いたことですが、ほとんど自分で考えることをしないで外部の専門家からテーマを聞くことで知識を広げる人たちが幹部と云われる人たちの習性です。この人たちに日本の将来を任せるかと思うとほんと不安です。政治家を当てにするより、これからは自分を頼りにするよりないです。
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