わが国は、2008年をピークに人口減少が始まっています。人口が減るわけですから住宅需要も減少しているように思いがちですが、大都市圏や札幌、仙台、広島、福岡など地方の中核都市を中心に新たな住宅建設は変わらずに続いています。
世界各国は、国連が提唱するSDGs(持続可能な開発を続けるため)の考えに沿って、今ばかりでなく将来に渡って地球人が生き抜くための問題解決をする方法を探っています。SDGs11番目には、「住み続けられるまちづくり」の項目さえあります。
問題なのは日本での住宅建設に持続性がないことです。この国で住宅建設というと、その多くは木造1戸建て住宅をいいますが、世界各国の住宅と比べて寿命が短いことです。平均寿命が25年とも30年とも言われ、米国50年、英国70年と比べて極端に短いのが特徴です。
そのため、他国から大量の建築用木材を輸入していて森林伐採による環境破壊も問題にされます。また、日本国民の資産が先進諸国で少ない原因として、住宅建設費の負担が長期にわたって重すぎるという指摘もあります。
現在は建築労働者の高齢化も進んで、資材高に人件費高騰が重なり、デフレ下の日本国民にはたいへんな重荷んいなってます。過去には何度も、住宅寿命を長くするため長持ちする優良住宅づくりの運動が行われましたが、社会に定着するまでには至っていません。
地球環境問題が大きくなるにしたがい、日本の住宅建設が問題視される可能性は高いです。住宅建設に関連するビジネスも、これまでのように作っては壊し、作っては壊しの旧来型の日本特有のビジネスモデルは、持続性を問われることが間違いないです。
住宅に関するイノベーションは、このような環境の元で生まれるはず。戸建ての住宅寿命を画期的に長くするのか、戸建ての費用が暴騰して集合住宅へシフトが起こるのか、他に新たなモデルが生まれるのか、住宅を巡る流れの変化は、脱炭素の世界の流れのなかでどう変わるか関心があります。
【ひと言】
今、トヨタ、日産、ホンダといった大手自動車メーカーが、ガソリン車から電気自動車への移行のなかで、現在の事業規模を維持し拡大できるかどうか、大きな分岐点で苦しんでいます。脱炭素へ世界各国が舵を切っていますから、これまでと同じ仕事をしていてはじり貧になることは見えています。同じ世界で仕事をしいている我々も、自分なりの舵を切る必要があることは言うまでもありません。
人気ブログランキングへ