日本と違ってアメリカの場合、新型コロナ感染による被害者の総数はまるでスケールが違います。感染者数は4493万人で日本は171万人(21年10月18日) 死者は72万人で日本は1万8千人です。国の人口は日本の1億2千万人に対し、3億3千万人ですからコロナ騒動の影響ははかり知れません。
今回のコロナ感染では、ヨーロッパやアメリカのように市民革命を経験して権利意識の高い国ほど、政府の指示でマスクを着けることに拒否感が強く働きました。アジアの各国は多くで国民の権利意識があまり高くないためか、コロナの初期段階で感染者は少なく収まりました。
ただ第3波以降、コロナウイルスが変異して感染力が高まったことがあって、次第に感染者数も増えています。その世界一感染者も死者も多いアメリカでは、コロナ感染の大流行によって市民社会の何かが変わったのか、メディアによる検証が盛んに行われています。人によってそれはバラバラでしょうが、人間関係であったり物価であったり市民生活であったりします。
そのため本当に何が変わったか見極めるまでは、新しいことには手を出さないと云う人の発言が多いです。日本ではこのような発想をほとんど聞いたことはありません。特に中年の人ほど、変化することを嫌う傾向があるためか、2019年のコロナ前の状態に戻すことを漠然とイメージする気持ちが強いようです。
自分の場合はこれまでの経験で、大きな出来事が起きたときほど大きく変化する見えない力が働くように感じてきました。東日本大震災がよい例で、地震や津波直後は再びこの街に戻ると云っていた多くの人が、今は震災後移り住んだ街に定着して再び戻ることはなさそうです。この市民の心の動きをよく見ることが事業では大事です。
ヨーロッパにおいては、資本主義が最も高度に発達した米国がコロナの大流行では最も脆かったことから、資本主義に対する不信感が高まっています。資本主義の終末の後を予測した学者はマルクスだけということもあって、再び共産主義に脚光を当てられるねじれた動きも起きています。
これまで世界の投資家は、株価が暴落したときには適度なタイミングで株を買い戻すことで資産を増やし続けてきました。リーマンショックや初期のコロナ感染でも、この手法により利益を上げた人は多いです。ただ何度も繰り返したこの手法がいつか通用しなくなる、そのときの心配を世界の経営者、投資家、学者ははじめています。
【ひと言】
われわれの日常生活の習慣は、生まれたときに親から教えられ、その後先生、友達、知人など多くの人の影響を受けながら、延々と続けてきたものです。大げさなようですが、人が自分の日ごろの習慣を変えるのは、個人的に大きなショックを受けた出来事にあったり、生死を分ける社会的な大異変に出会ったとき。大震災や感染症など、社会の仕組みを変えるような一大事では、同調圧力によって比較的簡単に変わるような気がします。
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