日本を代表する企業経営者の一人として、製造業においては日本電産 永守重信会長があげられます。一代で売上げ1兆6000億円企業に日本電産を成長させましたから、過っては同調しない経営者として不評を買っていましたが、現在は異論をいう人はいなくなりました。
そんな永守会長を日本経済新聞社がインタビューをしていて、興味深い点が2点ありました。一つは企業経営に関することです。「理屈だけでは経営はできない。現場で色んな問題にぶち当たって答えを出していくしかない」
ビジネス書や人に教えられて学ぶよりも、実際に現場で問題と直面してそこで解決法を考えながら身に着け、自身の能力を高めるしかないと話します。これは経営であっても管理であっても同じことで、解決を積み重ねながらそこから自分独自の手法を身に着けることです。
若いころは、オムロン創業者の立石一真さんや京セラの稲森和夫さんに教えを乞うたようですが、誰も答えを教えてはくれなかったと言います。もし彼らが自分なりの答えを話したとしても実際の経営に役立ち、それが後日も生かされるとなると自分で気付くしか解決法にはなりません。
また二つ目に、経営者としての地位を確立してからは社員に対しては、「学歴や職歴に関係なく社員を登用する実力実績主義を明確にしている」「コロナ禍で時間はかかっているが末端の社員まで会う予定で投資などの方向性を明快に説明する」
企業ではよくみられる、社内営業によって幹部に出世しようとする人間は認めない主義です。過去の大物創業社長というと、多くの人は晩年になるとイエスマンばかりを身近に集め、過去の蓄積によって生き延びようとするタイプの経営者とは違っています。
永守さんは、これまでの名経営者とはまったく違ったタイプの経営者です。これまで高名な経営者というと、会社の方向性や大きな仕組みづくりには口を出しますが、細部に関しては管理職に任せるタイプが大半でした。
ところが永守さんは、細部まで若い社員にまで直接気を配るタイプです。特に多くの会社をM&Aで買収し、その会社を立て直すことで会社の規模を拡大する、新しいビジネスモデルを日本で一早く構築した経営者です。企業経営を目指す人には参考になる経営者でもあります。
【ひと言】
起業にしても経営にしても、時代の変化に伴って常に変わり続けています。日本の場合、国内事情は制約になりますが海外は可能性です。特に、円の為替レートは安くなっていますから、これからしばらくは海外を目指すことで事業は安定しやすくなります。身近にいるロールモデルを探し真似ることからはじめてみては。
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