これから起業を考える人にとって行動に移すとき最初に難関となるのが、どんな業種のどんなビジネスで起業するか仕事選びです。その際、起業を早く軌道に乗せるために考えておかないといけないのが、どんな人にどう役立つ仕事をするか、一にも二にも人に役立つことが最優先の課題です。
先日の日曜日、朝日新聞別釣りに“農家向けに農機具の部品改良をするビジネス”で起業した人の話が載っていました。現在の農業は、平均作付面積が北海道を除く平均で2.2ヘクタール。農家の高齢化が進んでいることもあって機械化はどんどん広がっています。
そんな農家の悩みの一つに、せっかく高額の農機具を購入したけれど畑や水田の土質や栽培作物、地域特性によって、農機具が畑に合わないケールがよくあることです。農機具メーカーは最大公約に合わせた製品づくりをしていますから、個々の農家の注文に合わせることができない事情があります。
そのため農家は、農機具に合わせた収穫作業をするため過重労働や長時間労働を強いられる原因になっています。古くから現在に引き継がれている農家が抱える問題です。この問題解決に立ち上がった起業家は、ほとんどモノづくりの経験がなく、それまで機械工学を学んだこともなかったそうです。
まず最初にビジネスプランを考え、その後に現場となる群馬県に知人を頼って移住しています。そこから仕事をしてお金を稼ぎながら農機具改良の技術を覚え、農家を廻ってニーズを聞く日々を送っていました。5年の月日をかけて情報収集と資金集めをした上で開業につなげたようです。
この準備期間の長さと起業の成功失敗には、何かしらの因果関係があるとわたしは思っています。もう一つ、この開業を成功させるためのキモの部分があって、この農機具改良起業では実際に取り換える部品や機具の制作をするため、群馬県を中心に100カ所を超える工場と提携関係でつながっています。
起業にとって人に役立つことと並ぶ、このキモの部分の構築がとても重要であり難問でもあります。技術系ですと、製造工場やシステムエンジニアの人ということになりますし、サービス系ですと協力者ということです。全面協力というと大変ですが、仕事の片手間に協力してもらえる関係を構築できるかどうかにかかっています。
【ひと言】
起業準備の段階から開業まで、そのプロセスは起業家の数だけありそうです。決して同じではありませんが、「事前の開業計画」「余裕をもってあれこれ試す準備期間」「幾つかのポイントを押さえての開業」の3つの関門は間違いなく通過する必要があります。ここを怠るとその先で思いもかけない落とし穴が待ってます。当然、途中で引き返すこともありますから、柔軟に頭を使うことも忘れてはいけません。
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