特異な商品開発をして起業を目指す人の場合、開発ばかりに力を入れていたためお客さん対応に関して、まったく自信がないという人は少なくないです。会社勤めをしているビジネスパーソンの場合にも、営業経験がまったくない人も大勢います。
そのような人が起業する場合、いくら特異な商品を扱っていても販売方法が稚拙では最後は失敗します。そのため開業する前から、商品販売のための営業に関してはある程度意識して能力を高めておくべきと思っています。
営業に向けて誰でも手軽に取り組める方法は、「お客さんの観察力」を高めることです。最初の手掛かりは特段お客さんだけ限る必要はありません。電車の中でもお店に入ってからでも、周りにいる人の行動をきめ細かく観察することから始めます。
何に関心をもっているか、どんな服装をしていてどんな仕事の人と思われるか。普段から全く知らない人の行動や仕草を通して、人を知ったり心の動きを読んだり事業者は関心を持つ必要があります。この習慣は日ごろのビジネスにも直結します。
「モノの見方を変える」ことも大事です。これまでは私的な消費者の視線で店内や商品を見ていましたが、開業する人には、モノを売る人の目と買う人の目との複眼が必要です。そこで取り組んで欲しいのが、それまでの経験から生まれたモノゴトへの思い込みはきっぱり捨てること。
ここまでは一人で勝手にできるトレーニング法ですが、その上で「お客さんの関心に近づくためのコミュニケーション力」を意識してください。最初に取り組むのは初対面の人へ質問するスキルを身に着けることです。
お客さんとのコミュニケーション力といっても、開業当初に求められるのは質問能力です。一般的会話が成立するのは2度、3度と面識のあるお客さんで、開業当初に近づきになるためにはお客さんの関心事と思われることへの的確な質問です。
そのため最初うちは、ある程度定型化した質問を用意しておき、慣れるに従ってバリエーションを増やしていきます。現代のビジネスが怖いのは、開業した事業者よりも情報の豊富なお客さんがよくいること。開業当初はほんと神経を使いますから、慎重に準備をした方がよいです。
【ひと言】
開業する人の多くは、何はともあれ開業さえしたら何とかなると思い込んでいる人がいます。ところが、開業後の現実に合わせて手を打てない事業者は、お金だけをつぎ込んで結局にっちもさっちもいかなくなります。場面場面に対応した手の打ち方を知らないためです。また準備不足の人は人脈もできていませんから、急場を相談する相手もいないことが致命傷になります。ほとんど何もしないで閉店に追い込まれる人もいますから、開業には慎重になるべきです。
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