東京・武蔵野市議会では、外国籍住民に選挙での投票権を与えるかどうかの議決をして否決されました。武蔵野市は20代のころ、わたしも横河電機近くに住んでいたことがあり議決の行方は気になっていました。
武蔵野市には、繁華街の吉祥寺があり井之頭公園もあり、その昔はとても落ち着いて住みやすい街でした。東京でも、起業する人の多い街でもあります。保守的な人と革新的な人がバランスよく住んでいて、首都圏では常に住みやすい街ランキングの上位に上げられる街でもあります。
外国籍の人の投票権を保証している都市は、武蔵野市が初めてというわけではなく、日本国内には既に2市があるようです。愛国精神の旺盛な人は、外国籍の人に投票権付与というと大問題のように言いますが、日本に住む人間として地方選挙では投票する権利を保証するべきと思っています。
国政選挙はまた問題が別ですが、住民サービスに関する政治判断は税金を納めている以上外国籍の人といえども、保証するのが民主主義的対応ではないでしょうか。ただ、防衛や国の制度に関わる決定をする国政に関しては、日本国籍の人に限るべきです。
この問題に言及するのは、日本政府をはじめ日本の多くの人が、この国の人口問題に関してあまりに関心のないことが大問題と思うからです。現在既に進行していますが、日本は今後人口減少が避けられません。これは国のあり方の根幹をなす問題で、国力を測るうえでの主要な課題です。
既に日本は労働力人口の減少が始まっていて、国の経済もまったく成長していません。これは日本だけに限った話ではなく、先進国の多くが抱えている難題です。早晩、14億人近い中国でさえも人口減少が起こるといわれます。日本ではアジアからの労働力を楽に受け入れていると思っている人が多いですが、現実はアジアから来ていただかなくては経済が回らない状態に変わろうとしています。
コロナ感染の発生によって、アジアからの技能実習生の見えていなかった実態が明らかになりました。人口減少による労働力不足が深刻ですし、日本は世界3位の経済大国からインドやドイツにそのうち抜かれることも確実です。外国人労働者が働く国を選ぶ時代が来たとき、日本は何の魅力もない国に成り下がる可能性は高いです。
今から外国人労働者にとって魅力のある国造りを準備しておかないと、この国は労働力不足によってますます貧しくなります。コロナ禍の発生により、世界はこれまでにない変化の時代に入っています。いち早く変化に対応できる体制を考えておかないと、借金大国日本はずるずると後退ばkりを続けることになります。
【ひと言】
現在のように変化する時代にモノゴトを判断するには、「現状認識」を間違わないことが重要です。往々にして既に力を失っているのに過去の力を信じて判断することによって、傷口を広げるようなことが起こります。今の日本は、20年前の世界一の物価高だったころの余力によって対面を保っていますが、国の政策の誤りによって非正規社員ばかりの資金力のない国民の国になりました。最近、この失敗を指摘する声が高くなっています。またここで判断を誤ると、国力の衰えは想像以上に早くなりそうです。
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