日本で起業する人が少ない理由の一つとして、起業で失敗すると日本では信用をすべて失うことがあります。米国では挑戦したビジネスでの失敗は、貴重な経験としてそれなりに評価される社会とは大違いです。
目線が起業する側からは発せられず、起業に成功した人の側にばかり立ってしか発言が認められない空気があります。実際に起業やビジネスする人間にとって役立つ情報は、失敗した人から発せられる経験に基づいた発言です。
そのために何故か日本では、中小企業の経営者団体というと今は創業者の子供や孫といった人ばかりが目立つようになりました。起業経験のない人ばかりで商工会議所や商工会といった経営者組織は運営されています。
そんな風に日本では立場の弱い起業家ですが、厚生労働省は起業する人を増やすための優遇策を今度の国会に提出する予定です。職を失って起業した場合、雇用保険の失業手当の受給資格を4年間持ち続ける特例が新設されます。
現在想定されているのは、起業家やフリーランスなど個人事業主として起業したけれど失敗した場合に、現行の原則1年間の資格から最大4年にも延びるわけです。実際に起業した経験のない人にはたいへんありがたい話に聞こえそうです。
ところが起業する人は誰もが、失敗することなど考えずに開業に踏み切ります。その間に1年の受給期間など直ぐに過ぎますから、大半の人は失業手当の受給など曖昧なまま貰うことなく頭から消えています。
しかも期間が1年から4年に延びるだけで、実際に受給できる日数や失業前賃金の5~8割程度の金額などはまったく変わりません。結局、運用期間が変わるだけで、厚労省としては予算をほとんど増やすことなく起業家支援を厚くするというお題目だけが増えることになります。
日本経済は1990年代のバブル崩壊以降、イノベーションが必要とか、新たな起業を増やすとか、生産性を高めるとか言われてきましたが、結局はぬるま湯のような現状を維持し続けることが本音のような政策して出てきません。
【ひと言】
よく起業に失敗、成功という言葉が飛び交いますが、特段成功や失敗の認定があるわけではなく、事業を続けている間は成功であり、事業を止めてしまうと失敗ということになります。そのため一度事業を始めましたら、簡単には諦めないことが大事です。準備不足で始める起業が最も問題であることが分かります。
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