手軽なイノベーションということを前回書きましたが、現実にイノベーションに関わっている人にとって手軽に成果がでるわけではありません。お客さんの欲しいモノ、望むコトを実現して売り上げがロケットのように急上昇するなら、難しいこととは思わない人が多いはずです。
何百人、何千人が在籍する中堅企業が本気で取り組むなら、イノベーションの材料などいくらでも見つかるはずです。ところが現実は、社内にプロジェクトチームを作って取り組んでも、そう簡単には新たな商品開発や効率的仕組みづくりはできません。
2、3度チームが集まって雲を掴むような話し合いをしても、具体的な話には結びつかないのが多くの会社でのイノベーション向け会議です。よく社員が集まる飲み会での話の方が、もっとクリエーティブな話し合いになると言われるほど不振の会議が多いです。
どうもイノベーションのためのプロジェクトチームのように、四角張った組織によってクリエーティブな話をしても成果は期待できないようです。それよりはムダを承知で大きな目的を掲げず、月に2度程度雑談をするための集まりの方がクリエーティブな考えを引き出すには向いているようです。
大事なことは、アルコールを抜きにして新しいことに取り組む文化や習慣が会社内にあることが大事です。同時にお客さんからイノベーションへとつながる情報を聞き出すため、独自のツールを構築できるかどうかにかかっています。イノベーションの種は必要性を聞き出す行為。
そしてイノベーションの種を孵化させるための社内組織が必要です。フラットな会社組織やデザイン思考でビジネスを実現する集まりなど、このイノベーションを具体化させるプロセスになります。これまでの少ない経験から言いますと、集まりへの参加者数はとても重要でしかも会社によっても、テーマによっても変化します。
メンバーの入れ替えや外部からの参加者も必要になります。大事なことはマンネリ化させないこと、自由に意見が言えることです。社長が先頭に立ってイノベーションを希求し、社員もイノベーションをテコに会社が社会に役立つことを考える組織であることです。
既存の会社組織をイノベーション型に作り替えるのは大変な難題で、それよりは若い会社の設立当初からイノベーションを訴求する組織にデザインする方が楽です。そのうえで学び続ける会社文化を定着させることで、これからの時代のニーズを受け入れることのできる会社づくりが可能になります。
【ひと言】
会社でイノベーションに取り組もうとするなら、まず経営者がイノベーションに対して正しく理解する必要があります。これはDXに対しても同じですが、会社組織全体が変わる気持ちで取り組まないと、個人が頑張っても社長だけが頑張っても無理です。もう一つ、取り組んで直ぐに魚が釣れるわけではありません。何度も糸をたらし失敗を重ねながら成果につながります。そんな習慣を取り入れることができるかどうか。
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