世界中でIT化が急速に普及するに従って、ネットを活用したEC(電子商取引)が急増しています。アマゾンや楽天などネット販売は、米中と比較しますと日本はその普及が相当遅れていました。それでもコロナ感染の拡大によって、この2年は急速な広がりを見せています。
同時にネット販売には欠かせない物流事業も、ECの伸びに比例して拡大しています。今やネットを通じて商品を購入することが、高齢世帯にまで広がりつつあります。百貨店や商店街など、来店客数が減っているのに対し、ECによる購入はますます広がりそうです。
そんななか、ネット事業の一種でありながら利益の上がらないビジネスが料理宅配です。テレビコマーシャルなどでお馴染み「出前館」は、コロナ禍で注文数は伸びているのに21年は41億円の赤字。21年も206億円の赤字です。22年は500億円に達すると言われます。
出前館だけの特殊事情によるものかと考えそうですが、アメリカ・ドアダッシュは20年12月の上場から1度も黒字になっていません。シンガポール・グラブも世界的な注目を集めていますが黒字にはなっていません。インド・ゾマトなど、創業から13年経っても営業赤字は続いています。
中国・ディディは21年12月期に1兆円を超える最終赤字に陥りました。日本にも進出していますが、5月で撤退を表明しました。料理宅配ビジネスが決して事業として成り立たないとは思えません。ただ、物流業界では以前から、ラストワンマイルの壁が存在していたのは確か。
ヤマトにしても佐川急便にしても、大規模輸送に関して相当効率化が進んでいます。ただ、最後の自宅への宅配業務になりますと急激に効率は低下します。料理宅配は、最後のラストワンマイルだけがビジネス舞台ですから、もともと分が悪いことはいなめません。
大手企業が最大効率を追求するから難しいのであって、小企業が効率ばかりを追求しないで進めるビジネスなら違う結果が出るかも知れません。料理だけを絞らずに、他の事業も合わせる小ビジネスに徹することで、新たな地域事業を考えることもできそうです。
【ひと言】
今後個人や小企業でのビジネスを考えるなら、最初から小さな市場を絞り込む必要があります。小さな市場なら大手中堅は絶対に近づきませんから、安心して事業を展開することができます。もし拡大したいなら、小さな市場をいくつも手掛けることです。特に地域貢献型ビジネスは、人口減少が続くわが国において大事なインフラに成長する可能性があります。
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