この10年ほどの間にビジネススタイルが大きく変わりました。何が変わったかと云いますと、多くのデータを駆使する統計の手法がビジネスの主流になっていることです。以前からデータサイエンス活用によるビジネス手法はありましたが、ほとんどは大手・中堅に限られていました。
最近は、中小企業の世界までデータを事業に活用するようになっています。マーケティング=データサイエンスとも言えることが起こっています。市場規模を確実に計算し、利益の比率まで短期間に割り出していく、大手企業にとっては欠かせない手法です。
そのことによる弊害も持ち上がっています。データがある程度揃っているビジネスでないと参入できないわけですから、新たなビジネスに参入する会社が減っています。まったくデータがないために、取り組む課題にさえならない領域が増えているはずです。
以前はマーケッターの勘が営業を主導していましたが、今はデータサイエンティストに主導権は移っています。確かに、データは嘘を云ったり誤魔化したりしませんから、サイエンティストの発言には重みがあります。米国では「数字は言葉よりも雄弁だ」の格言は生きています。
ただ中小企業がこれからデータサイエンスによる事業に参入しようとしても、まずデータ処理の能力ある技術者が極端に不足しています。人がいない上に利用すべきデータも準備不足です。現実問題として、データがないため既存ビジネスにおいては中小にとって厳しいです。
その代わり、これまで他社が手を付けていない新しいビジネスなら立ち上げ可能です。自分が住む街で最近開業したビジネスを調べてみてください。元々コロナ禍が続いているため新規開業する店舗は少ないうえに、開業した事業も多くは決まりきったビジネスと思われます。
データサイエンテストが不足しているなら、専門家の副業として協力してもらう手があります。中小の場合、いきなりデータ処理に着手するのは難しく、最初は専門家にデータ収集の方法を教えてもらったり、処理の仕方を指導してもらう必要があります。
それならば、他では着手していないビジネスを始めるのも一つの起業の方法と思います。今の流れですとまったく新しい商品同士の組み合わせやサービスとの組み合わせは、ブルーオーシャンになる可能性もあります。これからしばらくは、この分野は盲点かもしれません。
【ひと言】
米国の中央銀行 FRBが政策金利を0.5%引き上げました。これで前回と合わせて0.75%になりました。年内、3度は引き上げを続けますから2%近くまで上げて、急激なインフレを抑え込もうとします。これまで、米国は景気の過熱を抑えようと金利を引き上げますと、間違いなく不況になっています。特に新興国経済は大変な思いをしてますが、借金大国の日本もこの不況に巻き込まれないかとても心配です。
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