知床半島沖で発生した遊覧船転覆事故では、船を運営している会社の無責任な経営体質が問題になっています。最大57人のお客さんを乗せ海上を遊覧するわけですから、高い安全性の確保が求められるはずです。
この会社の場合、会社経営を先代から引き継ぎ、多角化の一環で遊覧船を買収しての事故。元の会社の従業員が大量に辞めたり運航に関するルールが変わるようなこともあったようです。特に、東京のコンサルタント会社 M社に経営指導を受けていたこともはっきりしています。
このM社に関しては、わたしが仕事のしている地域に近く、3年前まで所属していた経営活性化協会の会員企業の中にはこのM社の指導を受けていた会社も数社ありましたから、その手法に関してクライアントの社長から手法を聞くことがありました。
10年前までは、日本経済新聞に広告を毎月だすほど勢いもよかったです。元々は、ダスキンが本部を運営するフランチャイズの加盟店の一社で、社長の経営能力が高いところから、コンサルティングを会社の事業部の一つとしてスタートさせたようです。
指導内容は、2000年代にわが国で急速に広がった会社からの出金を減らす経費節減型の手法です。それまでの雑な資金管理とは違い、確実にクライアント企業の利益は上がったといいますが、それにも増して高いコンサルタント料には音を上げていました。
今回、26人もの人が亡くなったり行方不明になっていますから、遊覧船運航会社の経営方法にも海難審査の取り調べの手は伸びると思われます。これまで脱税容疑などでは、税理事務所の指導に違法性がある場合には、税理士も逮捕されています。
コンサルタント会社とクライアントの間でどのようなやり取りがあったのか。船会社の経営方針にどのような影響があったのか。コンサルタントにとっても、今回の海難事件は他人事ではいられない思い課題を抱えています。
【ひと言】
よく小型船で仕事をしている人は「板子一枚下は地獄」という言い方をしますが、海、とりわけ北の寒冷期の海は地獄です。北の海の4月は、まだ海水温が冬のままですし荒れ方も半端ではありません。同じ海でも、南の海とも、台風シーズンの海とも違います。同じ海水なのに、海は色んな顔をもっています。ほんとに冬は地獄です。
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