今の日本は、1945年の敗戦後で最も危機的な状況のなかにあると思います。国の借金も簡単には返済できる金額でなくなっていますし、大震災、コロナ禍、ウクライナ戦争と、次々と発生する難題は時の政権の対応能力を超えています。
それ以上に問題と思われるのは、今の国にはこの難局に立ちむかうエネルギーがないことです。これまでも難局はありましたが、古くは1970年代のオイルショック、90年代後半には世界的な金融危機、08年のリーマンショックと経済成長のマイナスが続くことは何度かありました。
そんなときでも、企業には投資意欲がありましたし、個人には起業をする人が多数いました。ところが日銀が異次元の金融緩和を実施した13年以降、笛吹けども踊らずの状態でゼロ金利が続いても、株式投資に回る資金はあっても、起業する人はこの5年以上に渡ってほとんど増えません。
大学発の起業は増えていますが、その数は知れています。日本社会全体に起業をしようとする人の熱気はほとんど感じなくなっています。日本社会全体にリスクをとって新しいことを始めようとする気力がないのかとも思います。リスクをとることがバカげたことと云った風潮もあります。
この国では人口が減りはじめ、国民の将来不安は頂点に近いことも影響しているように思います。今後はますます国民の需要は減ると予測されますから、そんななかで起業しても事業が拡大するとは思えません。新たなイノベーションが生まれないことも新たな起業にはつながりません。
今の日本の空気を切り替えるのは、新たな大ヒット商品の登場や新たな国民の側に立った政権の誕生です。今よりも明るい将来があると思えると、リスクをとって投資する人が増えます。日本を覆っている社会の空気も変わるはずです。
そのためには、ひとりが一人が少しでも起業的な考え方や行動をするべきです。もし自分が起業するとしたら、リスクをとるとしたら何ができるか考えること。そしてこれからの選挙において、よく考え少しでも投票率を上げることです。弱者にとっての最大の武器は、政治で意思表示をはっきりするべきです。
【ひと言】
今の日本の場合、政治家や官僚が日本の政治的判断を誤っていることが、巨額の借金や国民のやる気をなくさせています。他の先進国と比べても、政治家のレベルの低さは目を覆うものがあります。日本財団の寺島理事長が、ロシア人の学者とウクライナ戦争で話をしていたとき、学者からこう言われたそうです。「プーチン大統領は、ロシアの将来に関して1時間以上もペーパーを見ないで熱く語る。ロシアのことを考えているから」日本の指導者の中に、日本の将来に関して熱く紙を見ないで語れる政治家がいるだろうか。
人気ブログランキングへ