現在の日本経済の位置情報を正確に云い当てるのは、経済学者でも難しいのではないでしょうか。特に政治家となると、冷静な分析と云うよりも、人の話を聞いて考える耳学問の人が多く高齢の人も多いですから、その判断には目を覆うものが多いです。
50代、60代の人は、1990年代日本が世界で断トツに物価高だった時代が頭から離れられないタイプが多いです。この時代は紛れもなく世界第2位の経済大国で、諸外国からは羨望の眼差しで見られていた時代です。
この時代は世界一物価の高い国で、外国人観光客など金持ちでなくては来日できない時代でした。世界的アーティストが次々に来日して強い円を稼いでいました。バブルが弾ける1990年から1997年あたりまでが日本の最も輝いた時代でした。
当時の日本は、為替レートの円高が続いていたため、物価は高く安売りを看板にする店が次々に生まれました。「内外価格差」「価格破壊」「円高不況」なんて言葉が飛び交っていた時期です。この時代の実効為替レートの指数は“150”で、日本の実態経済が最もよかった時代です。
物価高によって国民生活は厳しいといいながらも、企業家は輸入事業で大きな利益を上げていました。この実効為替レート指数が今年4月には“60.9”まで下がっています。この25年ほどの間にどれだけ日本経済が悪化したか分かろうというものです。
ただ現在も多くの会社は、25年前打ち出した物価高のなかでの格安価格戦略をそのまま踏襲しています。どこかで価格戦略を切り替え、安売りから抜け出さないと現在の世界的インフレのなかでは、一歩間違うと企業倒産に転げ落ちかねない物価上昇が世界で起こっています。
今の日本は、海外の動向など見向きもしないで、国内事情ばかりに視界を狭めています。やっと最近になって、米国バイデン大統領が日本の頭越しに外遊の第一歩を韓国で降りたのは、世界を冷静にみたら日本より韓国の方が魅力があるからです。
ソニーやパナソニックよりも、サムソン訪問の方が米国にとって利益が大きいからです。国内ばかりに目を向け自民党政権ばかりに慣れ親しんでいると、世界から置き去りになることははっきりしています。ビジネスも政治も世界標準で考えないことには、この国と同じようにどんどん沈みこんでしまいます。
【ひと言】
最近、中小企業や小企業経営者でも、商品の部品の仕入れ先に対する関心が高くなっています。コロナ感染にロシアウクライナ戦争が起こったことで、仕入れの供給網に不安が広がっているからです。これまでなら、最適な仕入れ先を確保すると海外も含めて簡単に切り替えることが可能でした。今は、仕入れ先を変えたため供給が不安定になっている商品、部品が多数あります。販売価格に大きな影響が及んでいます。
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