『81年前、対米戦争のため日本は大量の国債を発行して戦費をまかなった過去があります。過去の失敗の経験を忘れたこの時代、再び国債発行により軍事費を賄おうとする愚行を重ねるのですか。81年前確か祖父の岸信介は東条内閣の商工大臣でした。今は兄が自民党の大幹部、弟が防衛大臣なのは偶然?』
このツイッターの投稿に、少なからず反響をいただきました。その多くが、防衛費はGDPの2倍以上にするべきというものです。ロシアによるウクライナ侵攻以降、日本に対しても他国からの侵攻に危機感を持つ人が増えているようです。明日にでも、北朝鮮や中国から日本にミサイルが飛んでくるような話を平気でする人までいます。
このような話になると、後先を考えず平気で危機を煽る人がいるから警戒が必要です。現在のロシアの惨状を見て北朝鮮や中国が日本を攻めて何の利益があるのか、考えると分かることです。それこそ世界を敵に回すことになりますし、何を目的に攻撃するのかほとんど現実性のない話です。
日本の国内事情にしても、ここで軍備増強ということになると、どこの予算を削って軍事費に回すのか考えているのかどうか。安倍元首相は、国債を発行して軍事費を今の倍に言い出しています。その時の講演では、国債を発行して借り換え借り換えを繰り返すことで巨額の借金は大丈夫と言い切っています。今以上に円の価値を下げる行動で、下手をすると悪質な投資家の餌食になる危険性さえあります。
1990年代英国はジョージ・ソロスによってポンド売りを仕掛けられ、財政危機に陥っています。今の日本の財政環境では、一つ間違うと英国と同じ道を歩む可能性があります。この程度の人がいう国債の借り換え借り換えをしていて、政策金利が上昇をはじめると日本の国債費は雪だるま式に膨れ上がります。
年間の税収入約60兆円の国が、100兆円を超える予算を毎年日本は組んでいるのですから、早晩行き詰まることははっきりしています。もし、これからも赤字国債の発行を続けて大丈夫なら、元首相なり子飼いの高市政調会長が国民向けにはっきりと説明すべきです。金融や財政では後進国と言われる日本が、そんな画期的発明をできるとは思いませんが。
現在のようにヨーロッパで戦争が起こっている最中に、日本の軍備増強を進めるのは愚の骨頂です。中国は不動産不況が始まっていますし、この秋には中国習近平主席の3選を決める党大会を控えています。中国が攻めてくる可能性はないですから、財政の裏付けもないのに軍事予算を増やす余裕は日本にはないです。
【ひと言】
世界の各国に比較して日本国民は賢いと考える人の多い日本ですが、何んで国の借金がこんなに多いのか考えると不思議な気分です。一つには、外国と比較するための英語やドイツ語など、語学力が弱いことと関係があるのではないかと思います。マスコミを通じてしか比較ができない事情があります。もう一つ、モノゴトの根拠をはっきりさせて行動する習慣がありません。岸田首相は石油が急上昇したのを受けて、慌てて石油元売り会社への補助金を実施しました。その石油会社が、今期最高益を出していて何のための補助金だったのか、今になったら失敗であることがはっきりしています。軍事予算倍増も、おなじような根拠のない失敗を繰り返しそうです。
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