現在米国議会では、昨年1月6日に起こった米国連邦議事堂襲撃事件の公聴会が行われています。当時のトランプ大統領は、自身が負けた大統領選挙で不正が行われたと云いだし、支援者に議事堂へ抗議のために集合を呼び掛けたことが、暴動を起こす目的かどうかを問うための公聴会です。
この公聴会では、一人の下院議員に注目が集まっています。エリザベス・チェイニーさん。ブッシュ政権で副大統領だったディック・チェイニーの娘で、トランプ元大統領のアメリカ第一主義の政策に批判的政治行動で有名です。彼女は、政策でトランプと正面から衝突し、激しくトランプ批判を行ったただ一人の共和党議員です。
日本では、トランプは過去の人と見られていますが、今年の中間選挙ではトランプ支持の候補が勝利を収め、共和党候補として多くが本選挙に臨みます。米国でも日本と同様に政党の候補者は、自分を当選させてくれる有力者には、一も二もなくすり寄っていって尻尾を振るのが最近の政治の世界です。
米国でトランプが権力を振るっていたころ、日本でトランプに尻尾を振っていたのが安倍元首相。この人が主張するアベノミクスによる金融緩和、軍備拡大、借金漬けの財政など、コロナ感染やロシアのウクライナ侵攻などを経験して、国の亡ぼす政策であることがはっきりしてきました。
ところが今の自民党には、最大派閥の代表である安倍氏に対しノーを言える政治家は一人もいません。多分に過去6回の選挙で全てを勝利した元総裁に対し、表面から反旗を翻す勇気のある政治家はいないようです。
2013年から始まった金融緩和によって、現在たいへんな円安を招き日本経済の土台を揺るがす事態に陥っていても、まだ金融緩和の修正ができない政治家には将来がありません。日本にはチェイニーさんのような、一人になってもトランプではなく国民のために戦う政治家はいまだ皆無です。
【ひと言】
トランプに対抗するチェイニーさんのように、権力に対峙する女性は男性のようにかっとなることはないけど、息の長い取り組みをすることが特徴です。過って日本全国で盛り上がった公害問題でも、女性の参加が多い組織ほど息の長い運動で公害をまき散らす企業を追い詰めました。そのころから、組織の多様性を重視するようになりました。ビジネス向けの会社組織においても、女性にどう活躍してもらうか現在の経営者の大事な課題です。
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