インフレ発生によって物価上昇が起こるのは、買い手を減らすための見えざる手によるもの。ただ食料品など生活必需品が上昇しますと、買わないわけにいかないので、サービス利用を減らしたり、購入を止めることになります。
今年6月の消費者物価上昇率は2.4でしたが、この時のサービスの購入は0.9%マイナスになっています。日本においては、インフレの物価上昇は商品が中心で、サービスの需要は減らす傾向があります。また金融緩和を長く続けているため、金利が上がりづらくなっているのも特徴です。
そのため金融政策の効果が現れづらく、日本のインフレは他国に比べ動きが遅い代わりに長引くことが予想されます。新型コロナ感染も、他国の感染周波は回を重ねるたびに感染者数が減少しているのに、日本は第7波になってもまだ感染者数の過去最高更新が続いています。
日本の対応策が、他国の対応と比べ大きな欠陥があるのではないでしょうか。財政において、他国と比較して桁外れの赤字を垂れ流していますが、この影響を無視するわけにはいきません。この借金のお陰で、当たり前のインフレ対策を実施することができないのですから。
個人によるインフレ対策の最大の目玉は、大きな借金は絶対にしないこと。インフレによって将来物価が上昇するなら、その前に借金をしても将来その額が小さくなると考える人がいました。それは現在の収入が将来も保証されているなら間違いではありませんが、インフレと同時に不況が起こるなら話は変わります。
現在、アメリカをはじめ世界各国が政策金利を上昇させていますが、物価上昇と引き換えに不況の状態に陥ることを覚悟しています。「スタグフレーション」の言葉がよく使われるようになっていますが、インフレと同時に不況が起こることを意味しています。
インフレにおいて大きな借金が危険ということは、起業においても大きな借入は危ないということです。日本国民はコロナ感染の流行以降、「いざとなったら国が面倒をみてくれる」と考える人が増えています。この甘えは今後許されません。国はインフレで借金をチャラにしようと考えても不思議ではないからです。
【ひと言】
岸田内閣は新たな資本主義の一環として、「スタートアップ支援強化」を打ち出しています。これまで自民党政権に対し、日本経済を立て直すには起業の支援の必要性を訴える声が多数ありました。本来なら、アベノミクスの3本の矢の成長戦略の一つとして起業があったはずです。ここまで日本経済が追い込まれて起業を云いだされても、経済環境は起業に優しい時代をとうに過ぎています。犠牲者を増やすだけなのでは。
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