アメリカ議会ペロシ下院議長が台湾訪問をし、米中関係はこれまでになく緊張しています。バイデン大統領はサウジアラビアを訪問し、評判の悪い皇太子に原油増産を依頼しています。どちらの行動も、3カ月後に迫っている中間選挙で民主党の議席数を半数以上にするための涙ぐましい努力です。
アメリカではインフレによる物価上昇が続き、バイデン政権の支持率は30%台に沈んでいます。この支持率を高めるため必死に人気挽回策を駆使していますが、それほどインフレが発生すると政権には厳しい判断が下ります。ドイツでは政権交代が起きましたし、フランスは大統領選で勝ったものの議会選は与党が過半数を割りました。
そんななか世界の中堅・主要国のなかに、インフレ対策のために金利引上げを行っていない国が2カ国あります。一つはわが日本ですし、もう一カ国はトルコです。トルコの場合、エルドアン大統領が金利引上げは「悪い政策」という信念をもっていて、何があっても従来からの金利を上げないことを公約にしてきました。
そこで現在何が起こっているのか? トルコの消費者物価指数は、前年同月比で6月が78.6%上昇、7月は79.6%の上昇。主要国と違ってトルコの場合元々の政策金利は14%でしたが、ここからインフレが発生してもまったく上げていません。
そのため、通貨トルコリラが暴落し輸入物価を押し上げています。トルコも日本と同じように、穀物を中心とした「食料」が大きく値上がりしていますし、石油やLNGガスなど「エネルギー」の値上がりも大きいです。この値上げの影響を受け「交通費」や「光熱費」を引き上げています。
インフレが進んできますと富裕層が保有する資産価値が目減りします。そこで金持ちは資産防衛のため、現金を不動産投資に集中させました。そこで起こっているのが地価や家賃の高騰。トルコ全体で不動産価格の上昇が起こって、中央銀行によると住宅販売価格は前年同月比で2.5倍にもなっているといいます。
日本とトルコを単純に同一視するわけにはいきません。しかしインフレが発生して金利引上げの対抗策を取らないなら、物価上昇に歯止めがかからないのは確かです。このような現象に関して、日銀や財務省の人の方がよく知っているはず。日本でも同じことが起こる可能性はゼロではないです。
【ひと言】
日本はトルコと違い、権力者の一存で政策金利を引き上げないわけではありません。世界で断トツの国の借金があるため、もし金利を引き上げると借り換え後の金利返済額が1%、2%と膨らむため、将来は国の予算が組めなくなる可能性がでてきます。今更ですが、何故そんなに借金をしたのか日本の場合そこから検証する必要がありそうです。早い話、自民党政権を存続させるための借金ですから、この無駄遣い体質を変えないことには、この日本政府の借金体質はいつまでも続きます。
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