77年前、日本は広島と長崎で原爆が落とされ、2つの都市で数十万人の人が亡くなりました。日本の長い歴史のなかでも特筆すべき痛ましい出来事の一つです。そこから年月を重ね、日本は原子爆弾を投下したアメリカが形成する核の傘の下に日本入っています。
とても奇妙な気持ちがしますが、その核の傘が今の日本を守っていることも事実です。これは世界レベルの大きな傘の話ですが、他方で個人が勤める会社において、自分の社内での安全を守るため部長のグループとか、役員の組織する傘の下に入っている小さなレベルの話もあります。
何故傘の下について話しを始めたかというと、政権与党の自民党で安倍元首相が亡くなって、100人近い安倍派に所属する議員が傘の下から放り出されることになったからです。傘の下では、党の公認や役職に就くことにも有利でしたが、この先現行の安倍派は無くなるわけですから、自分で自分を守る必要があります。
会社勤めにおいても、少し従業員の多い会社には派閥組織ができています。業務が好調なときなら問題ありませんが、業績が傾いてきて人員の削減が必要になりますと、決まってこの派閥の存在が大きな役割を果たします。肩叩きの対象になるかどうか、公平な目でなんて言ったって実際は役員と人事部管理職とが決めます。
若い時はこのような組織内の動きに無関心でいられますが、家庭内で子か。供の学費や親の介護費が膨らんでくると、否応なく社内の傘の下を意識するようになります。現在の収入を何とかして維持したいと考えるとき、気休めになることは確かです。
現実に、何らかの傘の下に身を置いている人は少数派ではないでしょうか。2:8の法則を「パレートの法則」といいますが、積極的に傘を意識している人は2割でそれ以外は8割ということでしょうか? ただ、原爆を保有している場所は真っ先に敵の攻撃を受けるように、傘の下は安全なようで一番先に狙われる場所でもあります。
下手をしたら日本経済は、インフレと共に不況に襲われる可能性が高いです。97年にアジアで発生した通貨危機レベルの不況も覚悟する必要があります。自分の目を守るために傘の下に身を置くのか、その他大勢で嵐が過ぎるのをじっと待つのか、今から判断する必要がありそうです。
【ひと言】
2000年代に入って、現在は日和見で回りの動きをみながら何もしないで身を守る手法が、実際はほとんど身を守らないケースが多いようです。早くに意思決定をした人には有利で、いつまでも判断をしないで先送りしてきた人ほど追い詰められているのが今の日本の流れです。欧米スタイルのけっこう厳しい社会になっているような気がします。
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