コロナ感染発生から間もなく3年を迎えます。世界各国は感染拡大にともない、大規模なコロナ対策費を使ってきました。この非常事態の費用を3年目でそろそろ清算する必要に迫られています。わが国の場合、中小企業向けに実施したゼロゼロ融資返済が23年から始まります。
ゼロゼロ融資を簡単に説明しますと、コロナ感染が全国的にはじまった2020年3月から、政府はコロナ感染で経営に影響のでた開業を対象に無理氏、無担保で貸し出しをはじめました。最長で5年間の元金返済猶予のある貸し付けで、最初の3年間は都道府県が利子補給をします。
企業は利払い免除で返済が滞ると、信用保証協会が肩代わりしてくれる企業にとっては何ともありがたい対策です。22年9月の段階で総融資額は約43兆円にも達する超大型の金融支援です。この融資の返済が23年から開始されます。
この融資、コロナ禍で経営の行き詰っていた飲食店や宿泊業、観光ビジネスなどからは大歓迎されました。金融機関も国のお墨付きの付いた融資ですから、借りれそうな会社にはどしどし貸し出します。大災害のときには前後を考えずに資金を集めます。
ただ、コロナが少し収束したからといって売上げがコロナ前に戻るわけではありません。中には元々経営状態の悪い会社も多数含まれています。そんな中での、膨大なコロナ対策費の大きな柱の一端が清算を迫られているわけです。
わが国には現在、実態確認のされている会社が約146.6社あるそうです。このうちの約16.5万社は、経営が破綻しているのにもかかわらず、金融機関や政府機関の支援によって存続している“ゾンビ企業”です。全体の11.3%にも達しています。
既に22年の企業倒産は、3年ぶりに前年を上回る勢いで増えています。来年以降は、ゼロゼロ融資の清算によって大量の企業倒産が起きます。日本も金利上昇による不況の到来が現実問題になりそうです。他にもコロナ清算による不況要因がありそうですから警戒が必要です。
【ひとり言】
政治家が企業倒産や失業者の大量発生を嫌うため、多額の公的資金を投入して支援することで発生を防ごうとします。ただ、利益の上がらない企業は市場から退出するのは当たり前のことで、そんなことに多額の税金を使っていると財政赤字が増えるのは当然です。リーマンション後に民主党が実施した「中小企業金融円滑化法」や自民党がコロナで実施した「ゼロゼロ融資」など、中小企業の活性化のためには何の役にも立っていません。
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