昨年10~12月期の決算で、米国テクノロジー大手GAFAMの5社が揃って減益になりました。特にネット販売のアマゾンは-98%と大幅なマイナスで、何とかつじつま合わせによって2億7800万ドル(361億円)の黒字にした気配が濃厚です。
グーグルのアルファベットも-34%。アップルは5社の中では-13%と健闘しています。既に、この5社が世界経済を席巻して10年以上が経ちます。スマホの普及率は多くの国で7、8割に達する時代です。コロナ禍を経験したことで、そろそろ新しいステージを世界は求め始めているのではないでしょうか。
アップルの純利益が最も高く、利益の減少率も少ないのは製造業と関係していると思います。起業する場合でも、製造業で起業した会社は失敗するケースは少ないです。開業当初からある程度客筋をしっかり定めたうえで開業する会社が多いことが背景にはあります。
逆にアマゾンの利益減が最も大きいのは、ネット販売が景気の波や社会の影響を最も受けやすいことがあります。わたしも最近は、アマゾンで本を買うより地元の書店に出向いて買うことが多くなりました。ネット販売に対して不信感が最近は強くなっています。
デジタル時代に入って、マーケティングの世界で「アドボカシー」という言葉がよく使われるようになりました。自分の会社の商品やサービスを熱心に支持してくれるファン心理のことです。早い話が会社にとっての上得意のお客さんで、何かと口コミやSNSで多くの人に紹介してくれる人です。
過ってはアマゾンやグーグルにも「アドボカシー」のファンが大勢いました。今はあまりにも大きくなりすぎ、誰もが黙っていても知っている存在です。そして今後は、新たなネットサービス会社に切り替わっていく当たり前の古いサービス会社ということになりそうです。
【ひとり言】
これまでネットビジネスを中心に、大量顧客に向けて大量販売することで大きな利益を上げてきたのがグローバルネット企業でした。ここにきて米中対立の激化や脱炭素社会への転換が鮮明になり、今までと同じ手法では天井が見えてきました。GAFAMに対し主要各国の風当たりの強さなどその典型です。会社の規模も、ただ大きくするだけが企業価値ではなくなっています。いかにお客さんから必要とされるか、「アドボカシー」の存在が多いか少ないかが大事で、それがこれからの企業の成長を支えます。
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