日銀新総裁に植田和男氏の就任が決まるようです。この方は学者出身でアベノミクスの金融緩和政策を理論的に支えていた一人。それ以外にはほとんど自前の学説もなく、現在の枠組みを変えずに何とか穏便に財政危機から抜け出すことを考えて欲しいのが、任命した岸田首相の願いと思われます。
安倍元首相が亡くなって半年過ぎました。今でも金融緩和政策は続いていて日銀はこの政策の呪縛から抜け出せません。背景には日銀が大量の赤字国債を保有し、同時に株式市場では投資信託のカタチで大量の企業株式も保有している関係があります。
日銀を政府の子会社と考えた安倍元首相は、日銀が発行するお札によって国債と証券とを買いまくらせていました。その清算が簡単にはできないため、今の世界の流れからは時代遅れになっている金融緩和を続けざるを得ない事情があります。
その安倍元首相が在任中特に親しくしていた外国首脳というと、ロシアのプーチン大統領とトルコのエルドアン大統領。この3人は在任期間も同じ時期に長期政権を続け、相性が合うのか何度も首脳会談を行っていた仲です。
その中で昨年2月には、プーチン大統領がウクライナ侵攻を進め世界の多くの国から非難や制裁を受ける立場に。その戦争も簡単に終わることはなさそうですし、プーチン大統領は戦争犯罪者として国際的に追い詰められる気配が濃いです。
エルドアン大統領のトルコは、世界的インフレのなか金利を引き上げて物価対策をしない国で日本とトルコだけです。これはエルドアン大統領の個人的な意思によって金利を上げないと言われています。その上に今月6日には歴史的な大地震の発生です。
安倍元首相は昨年7月8日に銃弾に撃たれて亡くなりました。たいへん不幸な出来事ですがアベノミクスの方は現在も生き続けています。今も政府と日銀は、残された金融緩和を手直ししながらも続けています。この先どうなるのか問題はここからです。
わたしはプーチンやエルドアンのいく末を心配しているわけではありません。問題なのは、ロシアやトルコの国民の皆さんの毎日の生活です。両国には共に今後たいへん厳しい国民生活が待ち受けています。そして日本国民にも今後たいへんな問題が起こらないか心配です。
【ひとり言】
この3カ国の指導者に共通するのは、選挙に勝つために徹底的に政敵を追い詰めたことです。共に長期政権を実現した裏には、政権に対する反対勢力の力を奪ったこと。特にロシア・プーチンは、海外で反対勢力の指導者に毒殺を図り世界から非難されました。日本でも対抗政権の民主党に対し、 安倍氏は激しい非難を続けて消滅させました。民主国家において長期政権は不幸の始まりです。日本はその苦労をこれから味わされる可能性が高いです。
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