ビジネスの世界は常に変化し続けますが、特にコロナ禍が発生したこの3年は激しい変化起こっています。これから開業を考える時、この変化に対してうまく対応していないと大きな失敗を犯すことになります。
コロナ感染のはじまった2020年から21年にかけて、多くの飲食店は影響を受けました。特に居酒屋は、コロナ感染を広める元凶とされ各地でバタバタと閉店しました。現在は経営の苦しい店は既に閉店してしまい、現在は新たな店舗が生まれています。
ただコロナ発生以前から、居酒屋の減少は続いていましたから、その流れは現在も変わらないと思われます。20代、30代の人の飲酒量が、戦後のこの世代の飲酒量と比較して、格段に減少していることは確かです。その分、アルコールの販売量も飲食店での消費量も減ることになります。
これから開業する人は、現代の販売量よりも将来消費量を推測して事業を考えるとよいです。当然将来の日本を推測することも必要です。この推測はとても複雑で難しいです。正しいと思われることが、そのまま売上げに反映されると限らないからです。
1990年代、日本経済が世界の18%近いシェアを誇っていたころ、日本国民は将来健康な生活するために無農薬野菜の消費が大幅に伸びると予測しました。そのため、無農薬農業に適した畑を手に入れる動きが各地で広がりました。
あれから30年近く立ちますが、無農薬野菜を取り扱う店舗はほとんど増えません。国民の多くは健康的な野菜を手に入れることより、少しくらい危険であっても価格の安い野菜を入手することに熱心です。今日本経済の世界シェアは4%程度で、国民にはほとんど経済的な余裕がなくなっています。
過っての将来予測はほとんど外れてしまっています。一部の専門家を除くと誰もが、世界第2位の経済大国からこんな簡単に滑り落ちるとは思ってもいなかったはずです。しかも今のままでは、間違いなく現在の地位からも落ちることを覚悟するべきです。
これからのビジネスを考える上で、この大きな経済の流れを考えずに開業することは危険です。日本における人口減少と、経済のパイがまだまだ小さくなることは計算に入れたうえで開業する必要があると思います。
【ひとり言】
よく「会社の大きさは、経営者の能力以上には大きくならない」という言葉があります。どんどん売上げが伸びたら自然と会社は大きくなると考えがちですが、そんな単純なビジネス展開はありません。売上げの伸びている会社がありますと、直ぐにそれを真似る第二、第三の会社がでてきます。また会社内部で問題が起こり、内部分裂が発生することも珍しくありません。国家にしても同じことで、国の大統領や首相の能力に合ったカタチにしか国家は成長できません。
人気ブログランキングへ