これまで連戦連勝を続けてきた日本電産 永守重信会長ですが、ここにきて日本電産の業績はすっかり不振に陥っています。企業経営者として、日本を代表する経営者の一人と云われるようになってから、風向きがすっかり変わってきました。
コロナ感染拡大以降、永守さんの得意の経営環境とは違ってきていることが上げられます。ソフトバンクの孫正義さんにも同じことが云えますが、世界的に金利上昇が始まって以降、経営不振で苦しんでいる経営者は少なくないです。
長く経営に携わっている人に見られるのは、経営環境の変化と同時に経営に慣れ過ぎてしまったことから起こる失敗です。昔からのことわざには「習うより慣れろ」があります。頭で覚えるより身体で覚えろということでしょうが、デジタル化が進み過ぎたことで慣れよる弊害も目立っています。
1. 仕事に慣れていない初心者は、失敗することは多くても大きな事故を起こすことは稀です。逆に、仕事に慣れた熟練者ほど大きな事故を起こすケースが増えてきました。
2. 仕事に才能のある人ほど直ぐに慣れて飽きる傾向があります。そのため仕事を辞めて他のことに関心を向け転職することになりますが、これは本人にも会社にも大きな損失です。
3. 慣れることによって仕事が退屈になると同時に、その仕事の進歩も停止してしまいます。本来なら、そこを深掘りすることで新たな展開も考えられることを思考停止するのは機会損失です。
企業によっては朝礼を復活させたり、慣れによる心の弛みをなくそうとする工夫も始まっています。一口に「現代は変化の激しい時代」とはいうものの、そのための具体例を考える人はあまりいません。
慣れることを良しとしてきた時代から、慣れが怖いとする時代への変化は、他の事柄にも多くの変化をもたらしているはず。経営者や管理者ばかりでなく、誰もが神経を集中させ変化に耳を傾ける必要があります。
【ひとり言】
「慣れ」には仕事やスポーツばかりでなく、人間関係での慣れもあります。夫婦間や親子関係など典型ですが、最近とてもトラブルが多いのもこの関係です。ここにも慣れはあって、連れ合いや子供は自分の思いのままに動かせると思っていると、取り返しのつかないトラブルの原因になっています。適度の距離感は、快適に暮らすために必要ですね。
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