同じ時期に同じ資金で事業を起こしても、成功する人と失敗する人とがでます。成功、失敗を抜きにしても、長く続く人と短期間に諦める人がでてきます。その違いはどこにあるのか、多くの起業を目指す人には関心のあるテーマです。
事業やビジネスは日ごろの判断の繰り返しですから、判断を誤らなかった人は成功につながりますし、間違いが多いと失敗するとも言えます。事業を継続するためには、判断を間違わないことが大事な条件です。ただ最近、人間の行動のほとんどは無意識に決まっているとも言われています。
米国の科学者 ベンジャミン・リベット氏によると、実際に意思が働くよりも0.35秒早く脳内の電気信号が流れていると言っています。一見、重要な物事はよく考えた上で判断していると思われますが、実際は自身の頭で判断するより早く無意識に決められているということ。
それでも多くの人は、0.35秒に関係なく自分の意思によって判断したと思い込んでいます。何故そんな思い込みが可能かというと、人間は自分の記憶を改ざんすることができるので、あらかじめ用意されていた思い込みも、自分の意思によって判断したと考えるためです。
一人ひとりの頭のなかに住み着いている思い込みは、行動心理の世界では「マインドセット」と云われています。環境の変化や時代の流れを無視した判断を下しますから、ビジネスパーソンとしては厄介な心理です。ビジネスで何をしても上手くいかない人には、この「マインドセット」に突き動かされている可能性もあります。
その対策としては、一人だけで考えないで人と一緒に会話のなかで考えることで、思い込みは修正することができます。また頭のなかだけで考えないで言葉や文字にすることで、自分を客観的にみることができて誤りに気付きます。日ごろから意識して訓練することで、マインドセットを修正するとよいです。
【ひとり言】
行動経済学の出現は、これまでの経済学の考え方を根本から変えました。経営者も消費者も常にベストの判断をしている条件の下で経済を考える手法は、やはり嘘くさいと思います。政治でも商取引においても、国民は簡単に騙されます。しかも多くの人はよく考えないで、好き嫌いを基準に判断する習慣がついています。ビジネスに関わる人はこの失敗を犯さないように工夫するべきです。
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