昨年、石油価格は暴騰しました。ロシアによるウクライナ侵攻が暴騰の原因とされています。ただその前には、各国が2050年までに脱炭素社会の実現を宣言して、石油や石炭からのエネルギー転換を進める計画を立てていました。
そのため石油など化石燃料開発への投資が急速に減少し、一気に石油、石炭、LNG(天然ガス)の価格が高騰した経緯があります。投資家が競って再生可能エネルギーに投資することによって、旧来のエネルギー投資が細り価格高騰を招く事態が起こりました。
2024年問題は、19年に施行された働き方改革関連法により定められた法律の影響です。24年4月からは長距離ドライバーに時間外労働の上限規制が適用されます。月間の時間外労働は80時間が上限とされていて、その時間以上の残業は禁止されます。
一日に換算しますと4時間弱までしか残業ができませんから、現状のままでは深刻なドライバー不足が起きます。残された準備期間はまもなく1年を切りますが、今のところドライバー補充にメドの立っている物流会社は4割程度と云われています。
長距離ドライバーのなり手が最近は極端に減っています。これは米欧においても同じ現象が起きています。まもなく自動運転車の普及が見込まれているため仕事のキツイ上に、今後仕事のなくなるドライバーへ転職を考える人などほとんどいないのが現実です。
これから化石燃料開発への投資をする人がいないように、トラックドライバーのなり手もいません。そのため24年4月以降の輸送費が暴騰する心配もでています。今のところ代替案もありませんし、ネット販売からの輸送量は今後も増える一方です。
日本のインフレは、エネルギー料金、食料品、原材料費と続いてきましたが、この後に輸送人件費が加わる可能性がでてきました。一度価格引き上げの壁が開かれた日本ですから、今後物価上昇は容易に続きそうです。今から何かしらの対策を考えないと、赤字経営の泥沼にはまりそうです。
【ひとり言】
アメリカでは、急激な金利上昇によってカリフォルニア州の銀行が破綻しました。インフレ対策で急激に金利を上げたFRBですが、その反動によって地方銀行が破綻する副作用が発生しています。日本の場合は、多額な財政赤字があるだけに副作用ももっと複雑になりそうです。ただアメリカ以上に影響は深刻になりそうです。
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