やっと中国発のコロナ感染拡大が収まり、マスクの着用から解放されたと思ったら、今度は米国発の金融危機が首をもたげています。地銀のシリコンバレー銀行が破綻に追い込まれ、次いでNYでも地銀が破綻して米政府は両銀行の預金の全額保証を宣言しました。
多分これで一件落着とはいかないと思います。多くの国がコロナ対策で多額の資金を支出しており、財政状態はどこの国も不安定な状態にあります。しかも主要国の多くが、ウクライナ戦争を契機に軍事支出を増やしていますから、財政が悲鳴を上げていることは確か。
その中でも日本は、財政赤字に歯止めがきかないうえ4月には日銀総裁の交代時期を迎えています。これまで日本財政の脆弱性を突いて、多額の利益を狙っている海外ファンドにとって絶好の稼ぎのタイミングが訪れようとしていることは確かです。
多分ここ一週間の日経平均株価の動きは、震源である米国の平均株価よりも日経平均の方が何倍も下がっているのをみると、日本経済のオロオロ感がはっきりします。米国がシリコンバレー銀行の取り付け騒ぎが発生した8日を起点に15日までNYダウは-290ドル。
一方日本の東証日経平均は8日から16日まで-1433円と、円ドルの違いはありますが、その影響の差は桁違いです。下げ幅をパーセントで表しますと、日本は8日から16日までに-5.04%下げているのに、米国は7日から15日までで-0.88%にすぎません。圧倒的に日経平均は下げ過ぎです。
今後各国で金融危機が起こっても、日本が最もその影響を受ける一国であることは確か。米国の銀行破綻を受け、今度は大手銀行のクレディスイスの経営不安が飛び火しています。リーマンショックの時は、フランスで07年に取り付け騒ぎがあり、1年後にリーマンブラザースの破綻につながりました。
日本経済が今後どんな問題が発生するか予測はつきません。ただこれから吹く風は、金融緩和によって市場に溢れた資金を回収する流れの風です。流れがこれからは真逆になるわけですから、頭を切り替えてリスクを冒すのはしばらく時間を置いた方がよさそうです。
【ひとり言】
現在、コロナ感染は8波まで続いてまだ収まったわけではないです。また自然災害もアメリカの大雨、ヨーロッパの干ばつ、アフリカのサイクロンなど各地で発生。インフレも続いていて、ウクライナ戦争もいつ終わるともなく継続中です。金融危機の可能性ばかりでなく、色んなカタチの問題が続発しています。国内ばかりに目を向けず、世界が揺れていることを認識すべきです。
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