起業をする時の難しさを整理しますと、事業を立ち上げ開業するとき、その事業を継続するために次々と発生する問題を解決することの難しさです。起業とは、何もないゼロの状態から1や2に変えていく作業ですから、たいへんなエネルギーと能力とが必要です。
次々に発生する問題を解決するわけですから、起業をあまり簡単に考えている人の多くが失敗します。また、他人にばっかり頼って進める起業では、間違いなく躓いて転んでしまいます。
最近、気になっていることですが、問題解決する能力の高い人は増えていますが、設定する問題のほうが果たして正く的を得ているかどうか。解決能力がいくら高くても、問題の方が的を得ていない場合には間違いなく失敗につながります。
時代の進歩に伴い問題解決の方法に関しては書籍やネット、最近はchatGPTまで駆使してそこそこ解決することは可能になりました。真贋を別にして、今は借金を踏み倒す方法まで答えが用意される時代ですから、解決方法に関しては至れり尽くせりです。
ただ起業を目指す人の中には、問題設定の正確さまで意識が回っている人はあまりいません。これらは重要問題にピンポイントで焦点を当てる方法ではなく、開業後の一連の事業の流れのなかで生まれてくる問題ですから難しいです。
商品やサービスの品質や好感度は、お客さんに支持されているのか。従業員の接客態度によって利益を落としてはいないか。お店の前の通りの人の流れに変化はないかなど、考えられる問題は次々と生まれているはずです。
すると、問題なのは利益を増やすことよりも、まずは集客方法に問題はないか、商品の特長がうまくお客さんに伝わっているかなど、効果的に何を問題とするべきか経営としてはレベルの高い世界です。これらの問題設定の力量差が、経営力の差となって現れてきます。
起業のときは、このような開業してから発生するキメの細かい問題を知らずに起業する人がほとんどですから、問題設定に関しては自分で学んでいくしかありません。解決にばかり気をとられず、問題設定にも関心を向けてみてください。
【ひとり言】
最近は学校で出される問題においても、難題を出して答えをだすことに汲々とするよりも、複数の答えがでる問題や問題を出させる問題が出るなど複雑になっています。世の中は思っている以上に複雑になっていて、それに対応するカタチのトレーニングが学校でも行われています。我々の頭もこの複雑さに対応できるよう訓練が必要になっています。
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