転職をしたことのある人ならとっくに経験済みと思います。それまで勤めていた会社の業務スタイルが新しい会社ではまったく違っていることです。新入社員のころ教えられたスタイルを最善と思いがちです。所が転職して違う会社のスタイルに接することによって、自分知っているビジネススタイルがとても狭い世界だったことを知らされます。
この発見、今後も長くビジネスに接する人間にとっては目の覚める思いの発見になります。特に、歴史の長い会社で仕事をしてきた人にとって、2000年代以降に誕生したIT系企業のスタイルを経験すると、それこそ目からうろこのようなショックを覚えると思います。会社への報告や提案の仕組みが、古い会社とはまったく違うからです。
最近よく耳にする組織がフラット型の会社は、大半のビジネス情報がオープンですから社内の風通しが良すぎて不安に思うほどです。この会社の風通しに関して、初めて副業を経験したFさんから実態を聞かせてもらいました。創業から60年の会社に勤めていると、「激しいカルチャーショックを感じる」という言葉にこちらも驚きました。
Fさんは電力関連の会社に勤めています。この春から給与は上がったといいますが、その前に残業規制が厳しくなったため自由な時間は増えたのに自由な資金が減った口です。そこで会社に副業申請を出して、食品会社の製造システムに関わる仕事を週1回しています。そこでの体験は現在の仕事にもとても役立つと言ってます。
副業は収入が増えることばかりでなく、違う仕事に関わることによって視野も思考も広がります。特に一つの仕事だけで長年生きていますと、価値観が固定してしまうことが怖いです。お客さんというと、自分の仕事が関わる市場のお客さんが全てですが、この国には色んな世界と関わるお客さんが多数います。
現在のイノベーションと云いますと、既存の仕組みや目的を組み合わせることによって生まれます。これまで存在しなかった、まったく新しい商品やサービスが生まれる可能性は期待できず、新製品といってもほとんどは目的が違う既成品同士から、新しい目的の商品・サービスを作る作業になっています。
そのため副業をすることで、この知らない業界に深く関わることはとても有利な立場に立てます。別にイノベーションばかりでなく、ビジネスの新たな発想を生み出すためにも副業は役立ちます。最近、中堅企業の社長に就任する人の経歴にも、転職で入社した人が就任するケースが増えています。自由な時間を持て余している人に副業はお勧めです。
【ひとり言】
過日、人が運をつかむ手段としてこれまで関りのなかった人との出会いが重要と書きました。副業を見つけることは、新しい出会いを見つけることでもあります。ネットでのマッチングアプリもありますし、人からの紹介も有利です。就職となると紹介は気が重くなりますが、副業ですと比較的気楽に紹介してもらえます。今は人材不足が深刻ですからハードルは下がっています。
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