先日日本経済新聞のマーケット商品面に、「バイト時給2000円でも集まらず」の記事が載っていました。コロナ感染の大流行が起こってから、学生や女性パートの仕事への意識が大きく変わったと云われます。従来の発想でスタッフ募集をしても、最近はカネと労力ばかりがかかって成果がほとんどでないようです。
リクルート・ジョブズリサーチセンターの調べによりますと、学生のバイトに対する考え方で最も変わったのは給与に対する考え方。以前は少しくらい労働環境は悪くても、給与の高いバイトならそちらを優先していました。下手をすると、都心から地方でのイベントなんて仕事でも給与が高かけりゃ出かける人はいました。
最近は給与に続いて休日・休暇や勤務日数などの関心も低いようです。現在は仕事に関わる時間帯への関心が高く、次いで通勤時間や勤務場所などがバイト先を決める重要なポイントとされています。近年、若い人から中高年まで定着している「コスパ」(コストパフォーマンス)がバイト探しで大きな役割を担っています。
このような考え方は企業経営においても重要度を増しています。おカネと同じように時間の使い方を重視する感が方は日本社会全体にも行き渡ってきました。多くのビジネス書などでも「時間を無駄にする事業は失敗する」と結論づける本が増えています。ただ若い人と違って、中高年の方が時間に関してはまだ無関心な人が多いようです。
そこで学生バイトや女性のパート採用で実績を上げている会社に見られる対応方法を上げてみます。まずシフト変更の自由度の高い職場が歓迎されます。そのため、開業時間の細分化を行って勤務時間のやり繰りがしやすいことが、学生の人気の高いバイトということになります。これはパートについても同じです。
また学生の場合には、就活支援をしてくれる店は人気が高いです。まったく知らない人の就活情報よりは、同じバイトの先輩が流してくれる情報の方が信頼度は高くなります。お店なり会社が運営するDXの一環として、勤務時間の管理や自由な掲示板があるとスタッフの人気は高くなるようです。
企業経営者は、自分の知る範囲内で会社業務の管理を行おうとします。今は、IT分野の進化が早いですから大半の経営者はついていけません。現場の希望に合わせた管理をしていないと、バイトやパートが集まらず閉店にさえ追い込まれる危険性さえあります。考えを変えるしかないです。
【ひとり言】
現在は、飲食店、コンビニ、スーパー、塾教師、小売り、ファストフード店など、ほとんどのお店でバイトもパートも不足しています。ただスマホを利用して、働きやすい職場を実現しているお店は、「うちは大丈夫」とはいいませんが問題なく業務は回っています。これは経営者の考え方次第で、いつまでもネット環境の整備ができない経営者にこの仕組みを導入するのはムリです。早く現場に合わせた発想に切り替えるべきです。
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