G7サミットが終わって、日本の大国ぶりに感激しているおめでたい人もいるようです。ただし今回広島に首脳が集まった民主的な国々が世界のGDPに占める割合は精々4割程度。過ってはG7だけで7割の時代もありました。日本も1990年代には18%でしたが、今は4%まで世界でのGDP比率は下がっています。
パイの小さくなっている日本を抜け出し海外に仕事を求める人がどんどん増えています。日本とは比べものにならないくらい給与が高いからです。まず給与格差が大きく雇用待遇の悪い女性が海外に出ています。デンマークやフィンランドといった北欧、シンガポール、豪州、NZなど、今の日本の雇用環境では女性の海外脱出はますます増えそうです。
男性の場合、女性と違って少し危機感が薄いように思いますが、それでも寿司職人に代表されるように国内でこのまま年を重ねるより、海外で突破口を開こうとする意欲のある人はいます。一人当たりGDPで台湾や韓国に抜き去られる日本ですから、今後も明るい見通しはほぼないので外国の高給は魅力的です。
米国ニューヨークに住んでいる人にはこんな話があるようです。米国の大都市では、飼い犬の散歩の相手がビジネスとしては面白い仕事と云われます。この仕事、決してバイト気分で手軽にできるような簡単な仕事ではないからです。何故なら、年収で10万ドル(1400万円)以上稼ぐ人が決して珍しくないのです。
一日1回の散歩で25ドル(3500円)が現在の相場のようです。ニューヨークでの年収の中央値は9.45ドルとされていますから、10万ドルを超える年収は魅力的です。日本人ならば、犬の散歩の相手で10万ドルと聞くと誰もができそうに思いますが、そう簡単に誰にでもできる仕事ではありません。
このくらいの収入を上げる犬の散歩相手をしている人は持ち主からの信頼が相当厚い人です。普段から家の鍵を預かっていて、自分の都合に合わせて訪問して犬を連れだすことのできる人。しかも飼い主のお客さんを10人以上は抱えていることが必須条件になります。当然英会話能力が求められますし、セレブからの信頼を得られる人間でなくてはムリです。
しかもお金よりも犬好きであることが欠かせません。また高い給料ばかり話題になりますが、高い家賃や生活費に耐えて生活のできる人でなくては、ニューヨークに住み着くことさえできません。よく高い給与ばかりが日本で話題になりますが、その前に物価高の街で生活ができることとコミュニケーションのための英会話能力も欠かせません。
考えてみますと、国内で起業のために汗水を流すのと外国で苦労するのと似たようなものです。結果的に、どちらが苦労をした甲斐があるかという問題です。以前は、海外より日本の方が後々報われると思っていましたが、今の日本を考えると「身捨つるほどの祖国はありや」の気分です。たたトランプ時代の米国も考えますね。
【ひとり言】
最近原子力発電の研究者の間で、福島原発第一発電所のなかで原子炉の土台が溶解によって不安定になって、倒壊する可能性が指摘されています。大量の灰がまき散らされるということで、広い地域に核燃料が拡散する心配がでているようです。どこまで灰が待ち散るのか、わたしには今一つよく理解できないのですが、原爆の爆発が原子炉によって起こるということでしょうか。外国からの攻撃ばかりに今は目が向いていますが、下手をすると自国の原発からの暴発もあるようです。まずホントかどうか国民に正確な情報を教えてもらいたいものです。
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