東京証券市場では33年ぶり、バブル崩壊後で最高値の株高に達しました。コロナ禍も収まり国民の消費も上向いています。ただ株価が勢いよくどんどん上昇するほどには、国民の消費も企業の設備投資も力強く伸びているわけではありません。
証券業協会の調査によりますと現在の株高の主役は外国人投資家です。日銀の金融緩和政策が引き続いていることもあり、日本円だけが主要通貨のなかでは下落が続いています。外国人投資家は、この円安をテコに日本株を買い漁っているようです。
特に世界中で株式投資の神様と云われる世界的大富豪のウォーレン・バフェット氏が、日本の商社を中心にした日本株を推奨していて、これまで日本株には関心のなかった人まで買いに回っています。ほとんどの先進国で株価は横ばいのなか日本株だけが上昇している原因です。
海外で暮らしていた人が、日本に帰ってよく口にする「日本は世界の潮流とはまったく逆の方向を向いている」という台詞があります。国会で問題になったLGBT法にしろ、難民問題も、マイナ問題でも、日本政府は現状を変えまいと必死です。
金融政策でも、10年以上に渡る金融緩和政策を変えまいと努力しています。世界の潮流の逆を行くため、世界の金融プロから日本株が狙い撃ちをされている状態です。
政府は貯金を株式投資に向けるように推奨しています。日本国民の一部も、推奨に従ってNISAなどで株式投資を始めて間もないのに、外国人投資家による売り逃げなどに遭うと悲劇です。
世界経済は、今年後半の景気後退に向け身構えている気配があります。米中の首脳が接近を試みるのも、両国経済が厳しい環境に近づいているなか、武力衝突など望んでいないせめぎあいを避けるためです。どこの国もコロナによる金融緩和から金利上昇を経て、微妙な経済状況が続いています。
赤字国債に頼り切っているはずの日本は、毎年借金は膨らんでいるのに財布には現金を詰め込んで、苦しんだか楽なのか分からないマヒ状態が続いています。この先の日本を考えると、自分の財布だけはしっかり管理すべき時です。
【ひとり言】 世界の潮流に乗れないため、日本企業が海外で活躍するシーンが思いのほか少ないです。日本には世界の先端技術を駆使できる製造技術があります。海外から押し寄せる観光客は、国に帰るとPR係になってくれそうです。そのうえ輸出にとっては最大の武器となる円安が続いています。それなのに海外市場で力を発揮できないのは、日本人が世界の今の潮流に無関心なことが原因としか考えられません。世界が何を必要としているか理解していないのでは。
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