これからの経済見通しを書いたところ、いろいろご意見を頂きたいへん感謝しています。コロナ後は業績のよい経営者も多く、今のうちに新たな出店や設備投資を進めようと考える人もいます。そんなときに、不穏な不景気話を書くものですからお叱りも多いです。
この時期、景気見通しの微妙な時期ですからご希望に沿わない発言は気になるようです。特に証券や金融関係の人はあまり不景気を予測すると不愉快になるのは分かります。仕事柄、自分の仕事の足を引っ張る発言は厭ですが、そこは冷静な視点で考えるべきです。
政治家の方もその先深刻な不況に陥るなんが裂けても言えないと思います。ただ日本円を除く主要9通貨では「逆イールド」現象が起きている事実は自身で確認してください。日本はインフレが起こっても金利を上げない国のため、この危機感をほとんど感じない唯一の例外国です。
「逆イールド」は国債金利の逆転現象で、長期金利よりも短期金利が高くなる現象です。普通定期預金をする場合、長期で預けると金利が高く、短期は低いと考えているはずです。日本国民は長いこと金融緩和を続けたためこの基本を忘れがちです。
最新の米国国債の金利ですと、3カ月物金利が5.34%なのに対し、10年物金利は4.06%と1%以上も短期金利が高くなってます。よかったら「ブルームバーグ」で米国金利を調べてみてください。60年代以降8回の逆イールドがあり、全てで不況が発生しています。
直近ですと07年6月に逆イールドが発生し、翌08年9月にはリーマンショックが発生しました。世界的な大不況が発生する1年前というと、フランスのパリバ銀行で取付け騒ぎが発生する直前、後日リーマンショックの前触れとされていたときです。
逆イールドが発生することで銀行経営が急速に厳しくなるため不況が起こると云われます。銀行にとって短期国債の資金は調達金利として活用し、長期資金は貸出金利に使われます。調達と貸出との金利が逆転すると、銀行の利益は激減しますから貸し渋りにつながります。
わたしが不況の到来を発言する根拠は、この逆イールドが世界的に発生することからです。日本経済は世界の流れからは蚊帳の外ですが、日本だけが世界の流れとは別と云う訳にはいかないはず。不況になると現在の対外輸出が急速に落ちるからです。
リーマンショックのとき、米国発の過剰貸し付けが原因の金融危機で日本は無関係と云われました。実際のは最も日本経済が大きな痛手を受けました。当時よりも日本の借金は各段に増えていて、不況による影響もさらに大きくなりそうです。
今世界の金融業界の関心は、米国の不況対策が上手くソフトランディングできるかどうかに集まっています。今年後半、再度政策金利を上げるようなら不況色は濃くなります。金利を下げれるまで環境がよくなったなら不況を乗り切ることは可能です。
残念ながらこの後に及んでも緩和を続けるしか金融政策のない日本は、企業が頑張っているから大国のメンツを保っていますが既に将来のない国になっていると思います。今後赤字国債で身動きが取れなくなりますから、今から慌てないように準備をしておくことが大事では。
米国経済が不安定になったのは2018年、トランプ政権の時代にセーフガードを発動して保護貿易を始めたときからです。中国も報復関税を課して世界のグローバル経済は縮小に向かいました。多くの国民が反対しても、1人の指導者が強引に自論を展開すると止めようがありません。今ではトランプ路線をバイデン政権も踏襲しています。国民にとって選挙権だけが対抗手段ですから、不満があったら選挙の時まで忘れないことです。
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