コロナ感染も一応収まって、どこの会社も腰を据えて収益を上げにかかる時期に入っています。この3年間、コロナに怯えながら息苦しいなかでのビジネスでした。やっと感染症5類に移行して、コロナを必要以上に怖がる必要はなくなりました。
ただコロナ前の状態に戻ろうと思っても、思いの外従業員からは以前のようなアイデアが出てこないことに苦労している経営者は多いです。以前と違って社内での会話がすっかりなくなっていることに、危機感をもつ人も少なくないです。
NHKクローズアップ現代では9月6日(水)、そんな会社の行き詰まりを見抜いたようなテーマを取り上げていました。「モヤモヤする力」がアイデアを生むというものです。海外では、negative capability (負の能力)として、注目されている手法のようです。
これまではグローバル経済の波にのり、ライバルを追い落とすため1秒でも早い判断が求められました。多分に米中間のデカプリング(分離政策)が影響しているのでしょう。スピードよりも、互いに摩擦が拡大しないように神経を使った経済政策を追求しているようです。
日本でもこれまでは「タイパ」や生成AIといった、スピード重視のビジネスが王道とされました。ビジネスパースンの多くがスマホで同じアプリ、同じ思考によって答えを求めるため、誰もが似たようなアイデアしか浮かばないジレンマを抱えています。
クローズアップ現代では、実際に4人チームを2組作り「モヤモヤする力」を十分発揮できるチームの展開と成果を公開します。一方回答を出すためのスピードばかりを追求したチームの成果と比べます。時間の使い方がまったく違う点も注目です。
興味のある人は、NHKアーカイブで見ることを勧めます。これまで企業経営の流れをみていると、政治や社会の変化に合わせて絶えず変化を続けています。大手の場合、この変化に合わせるカタチで社長交代をすることで会社の対応を変えていきます。
小企業の場合は、替えるにも自分以外の経営者はいませんから、自分で柔軟に対応するしかありません。そのため周りの相談相手を替えることによって、柔軟な対応を可能にすることです。変化への対応は、何もしないと遅れていくだけです。
今の日本社会は、政治、経済、文化、芸能など変化がとても乏しくなっています。安定している今の日本を変えたくないとする人たちが多すぎます。米国は、常に移民を受け入れることによって社会を変えてきました。ただトランプ時代から移民の拒否が始まって、社会の停滞が起こっているとも云われます。日本のように30年近くも停滞していると、もう変化することが怖い社会になりそうです。
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