ジャニーズ問題のなりゆきをみていて、最近ほんとうに厭な気分になっています。わたしが気になるのは性的被害の問題と同時に、ジャニーズのタレントの多くは国内市場で営業していたのに、スポンサー企業が次々とジャニーズとの契約を解除している問題です。
結局大手企業の多くは海外市場を相手にビジネスをしているため、タレントの人権を無視した経営者の性的行為は企業活動にまで影響を及ぼすことになります。日本をはじめ民主国家の多くが、中国・ウイグル自治区の製品をボイコットするのと同じ論理です。
この仕組みをそのまま日本円に移行すると、果たして日本のような資金の裏付けのある国はいくら赤字国債を発行しても大丈夫という論理が通用するかどうか。例え日本国民は納得したとしても、海外企業は日本円での支払いを拒否する可能性があります。
現実問題として、円ドルの為替取引においても最近は145円以上安くなることが当たり前になり、以前のように円高に振れることはほとんどなくなりました。海外輸出をしている会社は1ドル=120円台を想定しているために想定外の利益を増やしています。
そんな状況の変化を察してか、最近はリフレ派と呼ばれる人たちが日本はいくら借金をしても大丈夫とは声高に云わなくなっています。逆にコロナ禍以降、日本政府の方がまったく躊躇することなく、赤字国債をどんどん増やすべく資金のバラマキが目立ちます。
この次に日本財政の危機的状況が公になるのは、格付け機関が日本国債の発行時に格下げを公表するときと云われます。コロナ禍から3年、日本政府は糸の切れた凧のように、財政のバランス感覚をすっかり忘れて赤字頼みの予算組みが定着してます。
日銀はインフレ下の現在でも、短期金利をマイナス金利にしたまま動かせずにいます。1068兆円を超える23年度の国債発行残高により、金利の重みで政府は徐々に予算を組めなくなる可能性が高いです。汚染水同様、溢れるのは判っていながらずるずる時間が経っています。
ジャニーズ問題、福島原発の汚染水問、政府の巨額財政赤字と、どれもいつかは隠し切れなくなるのを知っていながら、当事者の怠慢で現在を迎えています。まともに予算が組めなくなって慌てるより、今から無駄な歳出を減らさないと政治家と官僚の食いモノになります。
最近、政府や官僚の間からは、「日本経済が未だにデフレから抜け出せないため今少しの頑張り」といった声をよく聞きます。既に物価上昇率は2%を超えているのに、デフレ対策の名の元で予算を膨らませる政策が彼らには心地よいようです。ただ尻ぬぐいさせられる国民はたまったものではありません。野党の弱い政治では、政府をチェックする術がなにもないのはつらいです。
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