日本語の記者という言葉には、入社1年目のマスコミ業界の社員レポーターから、業界で20年、30年ウォッチングを続けるジャーナリストまで全てを含む意味があります。ジャニーズ会見では、これら記者を全て集めての会見で混乱しました。
本来なら創業者が起こした性犯罪の処理問題に関する会見ですから、レポーターを除くジャーナリストがメインの日本記者クラブで説明すべき性格の問題でした。日本は職種や組織属性の区分けに関して、非常にいい加減で大きな会社組織に都合のよいようにできています。
新しい製品やサービスを発表する会見ですと、レポーターやインフルエンサーに集まってもらい説明をします。ほとんど揉めることのない中身ですから、報道内容もほぼ各社が似たような扱いになり、マスコミ各社にとっては広告を貰うためのお付き合いの色彩が濃い会見です。
これが事件性のある問題や経営本体に関わる会見になりますと、多くの場合はプロのジャーナリストが多数集まります。記者同士の質問の連携もあり、ジャニーズのような加害者側企業が自社の発表に都合のよい会見設定は不可能です。
「記者」という言葉と同じように、わたしが使い方で不思議に思っている名称があります。政治家という言葉は誰もがよく使いますが、この言葉にも2つの分類があるはず。一つはよく誰もが使う「政治家」で、そしてもう一つが「政治屋」です。
いみじくも安倍元首相が子供の「何故政治家になりましたか?」の質問に答えた内容。「おじいさんもお父さんも政治家なのでわたしも政治家になりました」 このような政治家の場合、家業が政治を生業にしているので「政治屋」と云うべきなのでは。
政治屋さんは別に「国民のためとか、この国を豊かにするため」といった志があって政治になったわけではありません。せっかく先代が政治組織を構築し、金看板の名前も地域で知れ渡り、資金までため込んだのだから家業にしなきゃ損ということで私物化したわけです。
しかもこの政治屋を家業とする人たちが戦後80年近くにもなると次々と生まれ、一つのギルドのような集まりになっています。最近は、政治屋の店員ともいえるような人が多数生まれ、中にはおめでたく首相に就任する人まででてきました。
この政治屋さんがどんどん増えた結果、多額の国の借金、失われた30年の停滞、首相官邸に都合のよい国家運営ができました。ビジネスの世界は政治とは真逆で厳しいはずなのに、そこにまで政治屋の浸食があり次第に朽ち始めています。
事務所と云う言葉も面白い言葉で、暴力団の事件にはよく事務所がでてきます。一方弁護士も事務所を欠かすことはできません。政治家にとっても事務所は大事な舞台です。ただ個人の事業家の事務所においては、小銭しか動く気配はありませんが、政治家はけっこうな金額の資金が動いています。最近の政治屋にはずぼらな人が多いらしく、根掘り葉掘り探すと、いくらでも政治資金規正法違反が見つかるといわれています。暴力団ばかりでなく、政治屋にも厳しい目を向けて欲しいものです。
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