今国会の参議院代表質問で、れいわ新選組の議員が日本政府の借金の話をしていました。「国の借金は民間の資産だから、いくら借金をしても大丈夫」という安倍元首相のブレーンとされる人たちが言い出したとされる台詞と同じ内容です。
まさか国会で堂々とこの台詞が発言されるとは思っていませんでした。昨今の円安の進行でブレーンたちが口に出さなくなったら、安倍政権に反対していたれいわの議員が言い出すのですからびっくりです。確かに山本太郎前代表の持論でもありました。
ただ1000兆円を超える日本の借金によって既に日本経済に大きな影響がでています。他国と違いインフレ対策のための政策金利上昇をわが国ではできません。米国は5%に近づくのに、日本は0.8%です。そのため円を売ってドルを買う動きが止まりません。
多額の借金が影響して円の価値は下がり続けています。過っては1ドル=75円程度まで高かった円相場が、今は150円に下がっています。当たり前の話ですが、日銀が赤字国債をどんどん発行するとするほど円の価値は下がり続けます。
現在進行が続く日本のインフレには、円安の進行が大きく影響しています。これは財務省の問題というより、財政はバランスをとっていないと経済に歪みがでます。決して借金ゼロが良いとも思いませんが、こんなに借金が大きくなると円の信用はなくなります。
日本が国の借金は民間の資産と思っても、諸外国でそんな論理が通用する国はどこにもありません。他国の企業が下落する円での取引を拒否する事態が発生したなら、この内弁慶の論理は途端に破綻します。それこそエネルギーも食糧も輸入に頼る日本は干せ上がります。
最近は海外投資家の日本国債売りが膨張していますし、日本国民が海外株や外国通貨預金を増やしています。何よりも日本政府自体、この日本はいくら借金しても大丈夫の理論に乗っかり、借金を止めようとする気などまったくありません。
本来なら日本学術会議の経済や財政の学者が、現在の赤字国債の垂れ流しに財政の持続性があるのかないのか、国民に向け提言をするべき時です。こんな環境のなかで起業をしても、政治の躓きで事業が続けられない事態にもなりそうな状況です。
日本政府の経済政策を注視していると、時々「デフレからの脱却」という言葉が聞かれます。これまで1年以上に渡り2%以上の物価上昇が続いているのに、今でもデフレを言い出す理由はアベノミクスを継承して金融緩和を続けたいから。経済対策で補正予算を組んで、必要以上の資金を使うことが目的です。給付金や万博費用などいくらでも資金を出しますが、返済のことをまったく考えない政権です。これは怖いですよ。過ってのバブルとそっくりです。
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