現在業績のよい企業ならば、今後の事業展開を考えて何かよい新規事業はないか模索を続けています。また将来性を見込んでM&Aによるスタートアップ企業への買収を考える会社も増えています。利益を税金として取られるよりも将来のための投資です。
多くの会社が最初に考えるのは、経営者が一度成功したビジネスを焼き直して、再度同じ方法で手軽に始められないかと考えがち。この発想では大半の会社が失敗しています。以前とはビジネス環境が全く違っていますから、同じ発想を駆使して上手くいくわけがありません。
大阪で現在難航している万博などはこの失敗例の典型です。1970年(昭和45年)に開催され、6421万人を集めた関西万博を再度開催したなら二匹目のどじょうがいると考えるのは全く企画素人の発想。50年以上前の人の関心と現代人とは違います。
第一集客のための人気コンテンツは何も用意できず、各国の知恵を集め競わせることで集客しようなんて発想はあまりに見え透いています。スタート時点から修学旅行生や大企業の社員家族を集めようなんて、最初からこのイベントの失敗原因が見て取れます。
結局開催の原動力となった大阪府、大阪市は、同じ夢洲地区に建設するカジノ施設と抱き合わせにすることが目的だったような気がします。会場への交通機関やインフラ設備などは共用することが可能ですから、カジノ建設の出費を大幅に減らすことを考えていたのでは。
これはわたしの勝手な推論ですが、現状では工事の遅れで開催が厳しくなっている万博を止められないのは、カジノ開業との連携を考えているために止めれないと思われます。これは失敗につながりやすい企業の新規事業と同じ道を歩んでいるためともいえそうです。
時代の変化を無視して、昔ながらの発想で事業を起こそうとすると失敗します。税金の支払いを惜しんだため、新規事業で失敗する企業は多いです。時間の経過は残酷なもの、過って大きな成功を収めたイベントも、時間が経つと誰も集まらないのは不思議なことではないです。
20世紀は、人の行動はある程度事前に読むことが可能でした。ビジネスも自治体の企画もお笑いネタも、計算して人を動かすことができた時代です。2001年以降、国民の多様化が広がって事前の計算が失敗するケースが増えています。国や自治体が仕切る大きなイベントは民間に任せないと、公務員が公的資金を使って行うと大きな赤字になることははっきりしてきました。多分政治家は、意のままにならないのでこれを認めないような気がしますが。
人気ブログランキングへ