今の日本経済、大阪関西万博で資金不足が起こると直ぐに政府が助け舟をだし、物価値上げで国民生活が苦しいというと減税を言い出す。日本政府は打ち出の小づちでも持っているかのように、気前よく資金をだしてくれます。
そのため日本はとても安定した好景気な状態と思いがちです。今から10年くらい前から財務省との間で資金の取り合いなんてことはなくなりました。当然コロナ感染が拡大しても、ほとんど資金不足に心配することなく新型ワクチンの獲り合いでもそこそこ頑張りました。
一見、政府の借金に下院がOKとは言わない米国と比べて、日本は恵まれた国と思いたくなります。ただ先日の財務省の発表によりますと、日本政府が発行している普通国債の発行残高は9月1日現在で1027兆4129億円にも達しています。
この先金利引上げの時代がきますと、1%引き上げによって10兆円の利子支払いが必要になります。コロナ対策にしろ、万博費用の負担にしろ、約43兆円の防衛費にしろ、右から左に資金をだす原資はみんな赤字国債の発行による支払いです。
ただどんな借金にしろ何時かは返済を迫られるカネです。21世紀に入ってから「今だけ政治」が続いています。国の借金は国民の資産だから日銀はいくらお札を刷っても大丈夫と主張する人がいます。その考えに何となく乗っかっている人の多いことがこの国の問題です。
安倍元首相や麻生元首相、安倍派に所属している議員など、まだまだ赤字国債を発行して大丈夫と云っていました。ただこれだけ赤字国債の発行残高が多く、国内には資金が出回っているはずなのにGDP(国内総生産)に占める個人消費は5割にすぎません。
米国ではGDPの7割を個人消費が占めているのに、日本は企業の設備投資や政府消費のウエートが高いのが特徴です。これって個人の消費力の弱い新興国の特徴と同じです。多分に金持ちと庶民との間の格差が大きく、しかも2つの層が固定しているためではないでしょうか。
インフレによる物価高は、多額の国の借金を棒引きする効果があることは確かです。ただそれも日本の場合は、2%3%のインフレ率に沿ったレベルの話です。日本人は財政や経済で誰もノーベル賞受賞がいない分野。いくら借金しても大丈夫と云われても鼻で笑うしかないです。
【ひとり言】
若いころ誰もが一度は、日本国民の一人づつから1円を集め
ることができたら、1億円を超える大金持ちになれると夢を見
たことがあるのでは。1円なら誰でも恵んでくれると思いま
す。ただその1円を集める労力と時間を考えたら、とても無理
なのではと本気にはしません。国の借金は国民の資産という考
え方も、何となく似ているような気がします。国と国民とを分
けるところに無理があって、国の資金は国民の税金が中心です
から、二人の元首相をはじめ国民を騙していると思った方がよ
いのでは。
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