日本生命が介護業界最大手のニチイを、2100億円で買収
するようです。業界2位のSOMPOケアは損害保険のSOMPOジ
ャパンが親会社です。3位のベネッセHDと5位の学研HDも教
育関連なので、シナジー効果の期待できるような親会社は少な
くなっています。
過って企業買収をする時には、親会社と関連ある業種の子会
社を選ぶことが必須とされていました。業種的に川上と川下の
関係があることで、利益幅が大幅に高まる期待があります。た
だシナジー効果を期待した買収はあまり成功例がないことに気
づいたようです。
親会社と子会社との意思の疎通がよくできることは、逆に相
手の負担になる思い切ったことができません。またビジネスで
の付き合いは、お互いにある程度の緊張感がないとよい結果が
生まれないようです。そのため現在、シナジー効果を期待する
買収はあまりなくなりました。
今日本国民として怖いシナジー効果は、大阪府と大阪市によ
る大阪関西万博の開催です。ここからはわたしの独断と偏見に
よる考えです。今問題となっている25年4月からの万博に
は、30年秋には隣接する場所にカジノ施設が建設されること
になっています。
万博は25年10月には博覧会が終了して、その後は建物を
取り壊して土地を大阪府と市に返還することになっています。
ただし電気、ガス、水道、下水道、交通機関、道路などは、隣
接するカジノ施設に引き継がれることは容易に想像できます。
これこそ大阪府と市にとっては経済的なシナジー効果となる
はずです。カジノ施設にとって、建設費用の何割かを減らすこ
とができるからです。そのためにも、物理的にも開催が危ぶま
れている万博を何が何でも開く必要があると思われます。
酒の席で当時の橋下徹大阪市長と安倍首相との間で開催が決
められたと云われる大阪関西万博。70年大阪万博が大きな成
功を収めたことで、二匹目のどじょうと新たな景気刺激のため
にカジノ開設を考えたけれど、魂を考えないイベントは開催さ
え難しそうです。
【ひとり言】
今思い返しますと安倍首相の方も、アベノミクスの成長戦略
が描けないため大型事業を探していました。カジノもその候補
でしたし、万博にももろ手を挙げて賛成したようです。ただア
ベノミクスの3本の矢も、いくら金利を下げても有望な投資先
がないため、失敗に終わったのは記憶に新しいところです。日
ごろから投資戦略など考えたこともない人間が軽い思い付きで
事業を進めても、借金しか残らないのはいつの時代も変わりま
せん。
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